2017/02/06
90年代を代表するR&Bシンガー、JOE(ジョー)。日本での知名度も高く、最も魅力的なR&Bシンガーを挙げろと言われ、JOEの名を入れる人も多いだろう。米ジョージア州出身、牧師の息子として生まれ、ゴスペルや聖歌隊などで基盤を作り、1993年アルバム『エヴリシング』でデビューを果たした。
1997年の2nd『オール・ザット・アイ・アム』が、米ビルボードR&Bチャート4位をマークするヒットを記録し、3rdアルバム『マイ・ネーム・イズ・ジョー』(2000年)では、初のNo.1を獲得。本作からは、「アイ・ワナ・ノウ」や「スタッター」などのTOP10ヒットが生まれ、ポップ・シーンにも進出した。
その大ヒット作のタイトルに「#(ハッシュタグ)」を付けてリリースした、自身12作目のスタジオ・アルバム『#MyNameisJoeThomas』は、2016年11月11日に全米リリースされ、R&Bチャート2位をマークするスマッシュ・ヒットを記録、高い評価を受けている。
プロデュース/制作は、ジョーを中心に、サム・ハントやキャリー・アンダーウッドなどの人気カントリーシンガーを手掛けるザック・クローウェルや、前作『ブリッジズ』(2014年)の全面プロデュースを担当した、デレク・アレンなどが参加している。レーベルの共同オーナーであるジェラルド・アイザックも、全曲制作に携わっている。
本作は、全16曲と大ボリュームながらも、バラエティ豊かなナンバーが目白押しで、リスナーを飽きさせない、充実した内容に仕上がっている。ホーンでスタートする60年代風のレトロ・ソウル「アワー・アンセム」や、ディスコ時代を彷彿させる「セレブレイト・ユー」、唯一ゲストがクレジットされている、「ハッピー・アワー」は、人気ラッパーのグッチ・メインを招いたトラップ・ソングで、本作の中でも、最も今っぽいナンバーだ。エド・シーランの『x』を意識したような、現代UKソウル調の「ドント・ルック・ミー・アウト」もある。時代を行き来する音の変化も聴きどころ。
最大の聴かせどころは、何といっても、ラストを飾るアデルのカバー曲「ハロー」だろう。サビで聴かせる超高音のファルセットには、バラードなのに思わず腰が浮きそうになる。その「ハロー」をはじめ、大人のためのアダルト&Bも満載。JOEらしいメロウ・トラックも健在だ。
JOEは、本作が「ラスト・アルバムになるかもしれない」と話しているが、そうなったとしても悔いはない、代表作に相応しいアルバムに仕上がっている。本作を引っさげて、3月にはビルボードライブ東京・大阪で、来日公演が決定している。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
『#MyNameisJoeThomas』
JOE
2016/12/14 RELEASE
2,646円(tax incl.)
◎公演情報
ビルボードライブ東京
2017年3月6日(月)、9日(木)、10日(金)
1st 開場17:30 開演18:30 / 2nd 開場20:30 開演21:30
2017年3月11日(土)
1st 開場17:00 開演18:00 / 2nd 開場20:00 開演21:00
ビルボードライブ大阪
2017年3月7日(火)、13日(月)
1st 開場17:30 開演18:30 / 2nd 開場20:30 開演21:30
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