2017/01/11 13:00
矢野顕子ソロ・デビュー40周年を記念し、92年に公開されたドキュメンタリー・フィルム『SUPER FOLK SONG ~ピアノが愛した女。~』をデジタル・リマスタリングし現在公開中のなか、先日12月22日に主演の矢野顕子が25年ぶりに舞台挨拶を行い、撮影時の思い出などを語った模様のレポートが到着。更に、舞台挨拶の映像も一部解禁となった(https://youtu.be/mgd-PDFd0Kw)。
「なーんでこんなに一生懸命なんだろ。」と笑いながら、当時の映像の中の自分の印象について語る矢野。登場からハキハキとあいさつし、会場は一瞬で矢野ワールドになった。25年前の作品のリバイバルということで、当時についての質問をされると「思い出せないーー。」と冗談交じりに言いながらも、当時の貴重な現場の雰囲気を教えてくれる矢野。「監督から、撮影するときは、どこから撮られているかわからないようにするし、レコーディングの邪魔にならないようにしますから、と説得されたの。」という言葉からは、監督の作品への熱意が想像できる。
制作の経緯について聞かれた矢野は、「まったく思い出せない、全部忘れちゃうの。」と再び冗談を言って観客を笑わせ、続けて、「でも映画を撮っておいて良かった。時が経ってしまうと、私は全部流れて忘れていっちゃうから。」と笑う。「だから今日皆さんがここに集まって。(作品を)観たいと言ってくれてよかったと。」改めて故・坂西監督へ感謝を表していた。多くの時間を共に過ごしたレコーディングエンジニアの吉野金次について聞かれると、「当時は本当に自分のことで精一杯だったスタッフのことは考えてなかったんだけど、その後、私が集中している間、エンジニアの人は気を使ってトイレにもいかなかったと気づいて。」「集中すると、3、4時間もノンストップで」レコーディングを続ける矢野。撮影時間は92時間にもおよんでいた。
本作は、今年40周年を迎える矢野のキャリアのいいターニングポイントになったという。「この映画も相まってこの歌とピアノの世界を楽しんで頂ける土台ができたんじゃいかな。」と語る。この作品の中では、失敗して悔しがる矢野の姿をその場にいるように感じとれる。「もう後少しで完成するのに、あっ!てなるところもある、今日は皆さん一緒にあっ!てなってください。」と、上映を楽しみにしている観客に呼びかけた。
また、この3劇場の登壇イベントで司会を務めた音楽ライターの今井智子による、新宿バルト9では聞けなかった映画のマル秘エピソードも含め、印象的な話を映画公式サイトにて同時公開されている。
◎公開情報
『SUPER FOLK SONG~ピアノが愛した女。~』[2017デジタル・リマスター版]
2017年1月6日(金)より新宿バルト9ほか15日間限定ロードショー
(C)映画『SUPER FOLK SONG~ピアノが愛した女。~』[2017デジタル・リマスター版]
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