2012/06/15
6月27日に約3年ぶりのオリジナルアルバム『through you』をリリースする米倉利紀が、5月30日に20周年記念ツアーのSHIBUYA-DUO公演を開催。新旧取り揃えた選曲と、軽快なMCの連発で会場を大いに沸かせた。
デビュー20周年日の4月25日には地元大阪・オリックス劇場、同月28日は東京 渋谷公会堂で10周年記念コンサートを開催。1タイトルのライブDVDをリリースするなど精力的に活動している米倉だが、5月より始まった本ツアーでは、『愛してる 愛してない』『Love in the sky』『Yes, I do.』といった過去の名曲から、前述の最新アルバム収録曲まで。充実のセットリストで贈るファン必見の内容だ。
また、バンド構成はドラム、ベース、男性コーラス2名にキーボードとギターレス構成になっており、中には挑発的なパフォーマンスと音楽性で知る人ぞ知る異才 キム・ビアンカ『脱ぎなさいよ』の一節を組み込む一幕も。官能的なダンスまで模倣するフレキシブルなアクトで、観衆を魅了していく。
一方、米倉のライブではMCも重要なパートだ。序盤、今年で40歳を迎えるため、遂に人生の半分を歌ってきた事になったと感慨深く語った彼だが、90年代に発表してきた楽曲で構成されている点については「皆さんがもう少し元気だった頃、足腰がもう少し強かった頃を思い出して頂いて……」とイタズラっぽい笑顔に。
『Hands』という楽曲を歌う際には、8年程前に出会った人との恋愛を振り返りながら、「手を繋ぎたいという感情が恋」だったと回想。先日出演したUSTREAM番組「新宿二丁目なう」の思い出から下ネタを始めようとするも、会場が引き気味なのに気付いて「止めておこうか」と苦笑するなど、自由に展開していく当意即妙なトーク術で、場内の爆笑を何度も誘った。
もちろん、歌い手としての才も当代随一だ。ターンテーブルのボリュームフェーダーを上下させるような仕草に合わせて声量の強弱を操る手法や軽快なスキット。楽曲に合わせて節回しを使い分けるスキルもと、変幻自在の歌唱法は20年のキャリアは然ることながら、天賦の才を感じさせる圧巻のボーカリゼーションで会場の隅々まで魅了する。
さらに、終盤に畳み掛ける初期代表作『未完のアンドロイド』『BE HAPPY』については、当時の衣装やダンスを再現するレアなパフォーマンスも用意されていた。本人は「懐かしいけどハズかしい!」と頬を赤らめたが、キャリアに裏付けされた完成度の高いステージに魅了され続けてきた観衆は、サプライズプレゼントとも言うべき展開に大興奮。終演後にはこの日一番の拍手が贈られた。
なお、6月25日の大阪BIGCAT公演まで本ツアーを続けていく米倉だが、7月14日に日比谷野外大音楽堂で、7月28日には大阪城音楽堂で、それぞれ野外ライブを行うことも決定している。
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