2012/05/30
アニメ「SKET DANCE」のオーディションから誕生した男女混合の3ピースバンド The Sketchbook(ザ・スケッチブック)が、ニューシングル『Colors / Birthday』を、5月30日にリリースした。
昨年、同アニメの劇中エピソード、カイメイ・ロック・フェスティバルのバンドメンバーを決めるオーディションにて、1300名の応募者の中から厳選な審査を勝ち抜き、最後はファンによるWEB投票を経て選出された彼ら。メンバーは20代前半~中盤で、かつてはそれぞれに別バンドで活動していた経歴を持つ3人からなる新星バンドだ。
そんな経緯を持つ彼らだけに、これまでリリースしてきた3枚のシングルはいずれも「SKET DANCE」主題歌に。自身らも“言ったら企画モノ”と話すように、やはりタイアップありきのバンドと捉えられてしまう傾向は否めないだろう。
しかし、前述通り狭き門を潜り抜け、実技を含めた選定で勝ち残ってきた実力を持つ3人だ。演奏力や表現力には確かなものがあり、ゴールデンボンバーの編曲なども手掛けるtatsuoによる楽曲は本格的で力強い。その上、キャッチーで抜けのよいサビメロもとサウンドのクオリティは総じて高く、YouTubeで100万に近い再生数を誇る代表曲『道』を聴けば、その実力が本物であることは理解できるだろう。
とはいえ世界的に不況が続くシーンの現状もあり、セールス面でまだ大きな軌跡を残せていないのも事実だ。
「やっぱり「SKET DANCE」が僕らを認知してもらえる一番の入口だから、客層としては小中学生が多い」。そう話すメンバーの渡邊悠(dr)は、そうした世代にとってCDが決して安いものではないことも理解している。目立ったタイアップを獲得し続けられている彼らのようなバンドにおいても、厳しい時代の波は例外なく訪れているのだ。
そうした現状の打開策を訊ねてみると、多くの先輩らが語ってきたように彼らもライブの重要性を口にする。「やっぱり直接会って、ライブを観て、感じることによって“応援したい”と思ってくださる方は、きっとCDを買ってくれる。そこが原点だと思います」。胸を張って答える小原莉子(g)の眼差しは、“ライブを観てもらえれば……”という自信を感じさせる輝きを放つ。
冒頭のニューシングル収録の『Birthday』の歌詞について。作詞を手掛けた多田宏(vo,b)は、アニメの世界観を加味しつつも、日々訪れる大小様々な幸せの中でも最も根源的な“誕生”への感謝を綴ったと語る。
「「SKET DANCE」を観ている人の中には、反抗期だったり親へ暴言を吐いちゃったりって人もいると思うんです。そういう時期があっても良いと思うんですけど、いつか両親だったり、今自分がいられる環境に感謝の気持ちを持って欲しいなって」
同曲は、デビューのきっかけを与えてくれた人たちにはもちろん、その後の活動からも様々な形でファンやスタッフなど周囲への感謝を感じていたという彼が、改めて伝えたかった“ありがとう”の気持ちが込めた1曲となった。
思えば彼らは昨年秋のデビュー作リリース直後に、発売1週間後で収録曲の着うた(R)と着うたフル(R)の合計ダウンロード数。そしてファンレターやブログコメントなどに寄せられたメッセージの総数が、それぞれ1万に達しなければ解散という試練を与えられた過去がある。
中でも渡邊は、一時大人への不信感を募らせるほどに落ち込んだそうだ。しかし、普通のロックバンドなら体験し得ない試練を、地道な努力や宣伝活動、そしてファンの支えによって乗り越えたことで彼らはより強固な結束力を手に入れた。「やってよかったと思いますね。今となっては、ですけど(笑)」。渡邊は当時を振り返って笑った。
現在、目下制作中の1stアルバムは7月25日にリリースが決定した。“ファンのみんなと作る”アルバムにするための企画も進行しており、先んじてファンクラブも設立。また、5月30日には新星堂カルチェ5柏店、6月2日には大宮アルシェでそれぞれイベント開催も予定しているので、気になる方は是非チェックしよう。
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