2016/12/02 21:00
2014年にリリースしたシングル「ルード★それでも僕は結婚する」が、全米チャートで6週連続1位を獲得したことをきっかけにブレイクしたカナダ出身の4人組バンド、マジック!の来日公演の初日が、2016年12月1日に赤坂ブリッツにて開催された。
2015年のサマーソニック出演以来、そして今年7月にリリースした2ndアルバム『プライメリー・カラーズ』を携えて初の日本パフォーマンスということもあってか、会場は開演前から、12月であることを忘れてしまうような熱気。また、最新作のタイトルに合わせてか、色とりどりのファッションに身を包んだ観客が多く、華やかな印象だった。
そこに笑顔を浮かべて登場したマジック!のメンバー。熱狂的な声援を送る観客に、ご挨拶代わりにと最新作のオープニングに収録されている「ハヴ・イット・オール」をパフォーマンス。レゲエを含むカリビアンなビートで、会場を一気にビーチへとトリップさせていったのだった。
その後も、最新作のリード・トラックでありショーン・ポールをフィーチャーしたことで話題を呼んだ「レイ・ユー・ダウン・イージー」や、彼らが敬愛しているというバンド、ポリスのカバーを含め、レゲエ色の強い楽曲を次々と披露。放たれるピースフルなビートの波を、観客はサーフィンをするように左右横に揺れながら楽しんでいるような印象だった。その反響に満足そうな表情を浮かべていたマジック!。MCではフロントマンのナズリが勢いにのって、会場に向かって投げキッスをする場面もあったほどだ。
その後は「ロックする準備はあるかい?」と、1stアルバムに収録の「リトル・ガール・ビッグ・ワールド」や、最新作収録の「ノー・スリープ」といったアグレッシブなナンバーで会場を縦揺れにさせ、さらに会場との一体感を作った後に、ボブ・マーリーやドレイクのカバーも披露(ドレイクの時は、ナズリがステージに腰掛け、観客の目をじっくりと見つめながらパフォーマンスしている姿が印象的だった)。
また、会場に赤いドレスを纏った女性を見つけたナズリは「おお、素晴らしいね!」と感嘆の声を発し、最新作に収録の「レッド・ドレス」を甘く歌いあげてくれた。そして本編ラストの1stに収録されている「ドント・キル・ザ・マジック」では、観客も大合唱。全員がバンドのメンバーの一員になったような雰囲気が生まれていた。また、ナズリはずっと笑顔が途絶えない魔法をかけるかのように、オーディエンスひとりひとりの顔を見つめるように歌い上げている姿も心に残っている。
アンコールでは、「これはボクのパーソナルなことを綴った曲なんだ」と最新作に収録の「ノー・リグレッツ」をアコースティックでしっとりとパフォーマンスし、ラストにはお待ちかねの「ルード★それでも僕は結婚する」を披露。以前のパフォーマンスに比べ、より深みを感じさせるサウンドに進化した印象で、「彼女の父親の元に結婚の挨拶をしに行く」時の心境を描いた楽曲であるが、そのパフォーマンスからは「その後」を連想させるような、サウンドになっていったように感じた。
約90分に及んだステージ。過ぎ去った夏の風景が蘇ってきたと同時に、また次に来る開放的な季節、つまりマジック!が再びパフォーマンスしてくれる時が早くも待ち遠しくなってくるような内容だったと思う。彼ら自身も、言葉では表現していなかったが、去り際に見せた笑顔からそのメッセージを感じることができた。だが、この後も横浜、名古屋、大阪でもライヴを開催。そこで「忘れられない夏」を体感してもらいたい!
Text: Takahisa Matsunaga
Photo: Kazumichi Kokei
◎公演情報
【MAGIC! JAPAN TOUR 2016】
12月1日(木) 東京: 赤坂ブリッツ <終了>
12月2日(金) 神奈川: 横浜ベイホール
12月4日(日) 愛知: 名古屋クラブクアトロ
12月5日(月) 大阪: IMPホール
詳細:https://www.creativeman.co.jp/event/magic2016/
◎リリース情報
『プライメリー・カラーズ』
2016/07/27 RELEASE
2,376円(tax in.)
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像