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2016/11/26 17:00

【ACL 2016イベントレポート Weekend 1- DAY 3】LCDサウンドシステム/ポーター・ロビンソン & マデオン/マイク・スノウが出演

 今年で15回目を迎えたテキサス州オースティンにて開催されている音楽フェスACL (オースティンシティリミッツフェスティバル)が、9月30日から10月2日、10月7日から9日の計6日間開催された。市内にある350エーカー規模の公園ジルカーパークが会場となっており、2013年から2週連続開催で出演するアーティストはジャンルを問わず、大小7つのステージと子供も楽しめるキッズエリアもあり、海外からも多くのオーディエンスを集めている。

 今年は、ヘッドライナーにRadiohead, Kendrick Lamar, Mumford & Sonを迎え、計157組のアーティストが出演し、2週間で45万人を動員した巨大フェスの模様を数々の写真とともにレポートする。

- DAY 3 October 2nd (Sun) –

Wild Belle / ウィンド・ベル
シカゴ出身の兄妹ロックデュオ。兄のエリオットが大学生の時に組んでたバンドに、当時16歳だった妹のナタリーがシンガーとして参加したのをきっかけに兄妹での活動がスタート。Major Lazerとのコラボ「Be Together」がきっかけで一躍その名が知られることになった彼らは、アフロビートをベースにし白人の彼らがオリジナルにしたサウンドはどこかトロピカルでカリビアンミュージックな曲調は30度を超えるオースティンの気候とマッチしていた。

Marlon Williams / マーロン・ウィリアムス
NZ出身オーストラリアを拠点に活動してきたシンガーソングライター、マーロン・ウィリアムズ。2016年にセルフタイトルのアルバムでデビュー。音楽スタイルは多岐にわたりフォーク・カントリー・ブルーグラスとそしてブルースなど。25歳にしてその経歴は長くソロデビュー以前にThe Unfaithful Waysのディレイニー・ディビッドソンとのデュオとして7枚のアルバムをリリースしBig Day Outフェスに出演したり、Band Of Horsesとのツアーを経験している。そしてオーストラリアとニュージーランドの音楽賞で受賞暦もあり、今後世界規模での活躍が期待されるアーティストである。この日ACLでの唯一のテントステージに出演したマーロンはバンドを従えて出演。アップライトベースとマンドリンバッキングそしてエレキギターのカルテットで「I’m Lost Without You」を演奏。彼のブルージーな低音のヴォイスに甘いマスク、そしてモデル並みのスタイル、テキサスを意識してか、カウボーイハットで登場し観客を沸かし鮮烈な印象を与えた。

Pete Yorn / ピート・ヨーン
6年ぶりに発表したアルバム『Arraging Time』がアメリカのインディロックチャートで7位を記録しツアーも好調な彼が日曜日の午後に無精髭にサングラス、トラッカーキャップに上下デニムのスタイルで現れた。彼の最大のヒット曲「For Nancy」は発表から15年経った現在も十分に新鮮に感じた。言わずもがな観客は大熱唱。ドラムマシンビートの絶妙なタッチで「Strange Condition」が始まると最前列のファンは目頭を赤くしてじっと彼を見つめるのであった。

St. Paul and the Broken Bones / セント・ポール&ザ・ブロークン・ボーンズ
アラバマ州出身ポールを主体とする6ピースソウルバンド。シンガーポールのゆるキャラのような容姿とハイトーンボイスに、チャップリンを彷彿させる華麗なダンスがショウを盛り上げる。これほどまでにエンターテイメントに溢れて観客を楽しませてくれるステージはACLの中ではダントツで彼のステージが一番であった。

Local Natives / ローカル・ネイティヴズ
彼らにとってオースティンは第二の故郷だ。無名時代からオースティンで多くのライブを来ないLA以外でも多くのファンがついたのがここオースティンである。オースティンはバンドの歴史の一部であるとキーボードのケルシーは述べた。シンガーのテイラーは観客に大統領選に触れ投票登録をする若者を励まし「Fountain Of Youth」を捧げた。

Miike Snow / マイク・スノウ
ブルーノ・マーズやブリトニー・スピアーズ、マドンナらのビッグアーティストを手がけたことでも知られるプロデューサーのクリス&&ポンタス、そしてシンカーソングライターのアンドリュー・ワイアットのインディポップバンド。無機質な演奏にワイアットの光沢がかかった黄金と言われる声は観衆の心をつかむことが容易である。彼らの代表曲「Animal」で、観客はもちろん大合唱。アップビートにサイケデリックかつレゲエ調にミックスされたバージョンを披露し、進化し続ける成熟した大人のステージを完成させた。

Porter Robinson & Madeon / ポーター・ロビンソン & マデオン
観客の多くがティーンエイジャーかそれに近い若者で埋め尽くされ、ポップスターが登場するかのごとくの黄色い歓声が鳴り止まない。それもそのはず、若手DJの2トップとも言える二人のユニット。しかも見た目もポップスターに引けを取らないとあれば、この歓声にも納得する。そして作られたポップスターには到底太刀打ちできないほどのクリエイティビティという才能まで持っているのだから無敵だ。キャッチーな曲に豪華なステージセット、そして観客の大合唱。若者のサマーバケーションはまだ終わってなかったのだ。

LCD Soundsystem / LCD サウンドシステム
この日のメインステージのヘッドライナーはMumford & Sonだったのだが、セカンドステージのLCDの集客数からはダブルヘッドライナーだと言っても過言ではないでろう。照明が暗転しステージセットの巨大なミラーボールがゆっくり降りてくる。観客の歓声が最高潮に達し地鳴りの会場を震わす中、メンバーが登場。オープニングの「Us v Them」ではミラーボールから閃光が観客への照らし出され会場は一瞬でディスコと化す。圧倒的なボーカルパフォーマンスのジェームズ・マーフィー。中でも「I Can Change」でのクリアなボーカルラインは、ファンキーなベースラインとシンセサイザーによってさらに艶を出す。「All My Friends」のジェームズおなじみのスタカートピアノは低温により接合され、エレキギターと重なり驚くほど野心的なように見えた。6年間のブランクを感じさせない壮大なダンスムーブメントがオースティンの日曜の夜を締めくくった。

Text & Photo:ERINA UEMURA

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