2016/11/19 08:00
11月19日は「世界トイレデー」。世界では多くの人たちが劣悪な衛生状況によって下痢で命を落としたり、重大な健康被害を受けている。これらに対する問題意識や関心を世界中の人に訴えるべく、「世界トイレデー」が2013年に制定された。国連のプレスリリース(2015年度)によると、全世界で3人に1人は改良型衛生施設を利用できず、8人に1人が屋外で排せつしているそう。世界において間違いなく「トイレ先進国」である日本。来日したアーティストが日本のトイレの暖かい便座やウォシュレット機能に感激したというエピソードも、これまで多数のメディアにとりあげられている。
ここで「世界トイレデー」にちなみ、音楽史に残る「いわく付きのトイレジャケ」を2点紹介したい。まずは、音楽史においてもっとも有名な「トイレジャケ」と言っていいだろう、ローリング・ストーンズの『ベガーズ・バンケット』(1968年)。「悪魔を憐れむ歌」収録の同作は、ストーンズ黄金期の幕開けとなった名盤であり、それと同時にこのジャケットにまつわるエピソードもファンの間で広く知られている一枚だ。現在流通しているこの「トイレジャケ」は、リリース当時レコード会社に発売を拒否され、別のジャケットでリリース、1984年のリマスター盤でようやくバンドの意向に沿ったこの「トイレ」ジャケでのリリースとなった、いわく付きのジャケットである。
そしてもう1枚、いわく付きのトイレジャケットがある。それは、『ベガーズ・バンケット』の発表からさかのぼること2年、男女混声コーラス・グループ、ママス&パパスのデビュー作『夢のカリフォルニア』(1966年)だ。バスルームのバスタブ部分にメンバー4名がすし詰め状態になっている、なんともシュールなジャケット写真。今ではあまり考えられないが、当時はこの便器が映り込んだ写真が物議を醸し、セカンド・プレスからは見えないようにトリミングされてしまったのだ。
「世界トイレデー」にちなみ、いつもそばにある「トイレ」の存在に感謝して1日を過ごすのも悪くない。ちなみに同機関の調査によると、一生のうちトイレで過ごす時間は、約3年にものぼるそうだ。
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