2016/11/05
相変わらず3位をキープしているピコ太郎が好例だが、昨今はメディアも多様化しているため何が要因でヒットするのかはわからない。一昔前までは「テレビに出る=売れる」というイメージが強かったが、そうとも限らない。とはいえ、テレビ映えするアーティストというのは少なからず存在する。今週のチャートでいうと、10位にランクインした三代目 J Soul Brothersの「Welcome to TOKYO」はまさにそんな一曲だ(【表1】)。
この曲は11/9リリースなので、今週の11/7付のチャートには売り上げが反映されていない。発売前にすでに盛り上がっているというのは彼らほどのビッグネームとしては珍しいわけではない。いつもミュージック・ビデオがアップされると、相当数の再生回数を記録するので、上位に食い込んでくることは予想される。しかし、それよりも大きなポイントとなっているのが、ツイッターのつぶやき数で、なんと今週1位となっている(水色のグラフ)。こうなった理由を分析してみると、テレビ番組への出演ということが浮上してきた。インターネットテレビではあるが、AbemaTVでオンエア解禁という告知が拡散。加えて、「ハロウィン音楽祭」や「ミュージック・ステーション」など出演情報などもあり、一気にツイート数を上げた。リリース前というだけでなく、ラジオのオンエアもまだなのに、ツイッターと動画再生数だけでベスト10入りするというのは彼ら以外には考えられないかもしれない。
同じく、テレビ出演を有効に使っているのが、先週の26位から16位にまでアップしたAAAの「涙のない世界」だ(【表2】)。リリースから1ヶ月ほど経っているので、売り上げ、動画再生数、ラジオのオンエア回数などは軒並み下がり気味だ。しかし、ツイッターのつぶやき数は、先週の13位から2位にまで急浮上している(水色のグラフ)。こちらも「ミュージック・ステーション」に関するもので、10/28に出演済み。6年ぶりの出演、ヴァイオリニストの三浦文彰との共演などの話題性もあり、出演前告知だけでなく出演後の反響も大きかった。それがツイッターにダイレクトに影響したというのが、チャート上昇の要因だ。
テレビ出演しただけではチャートは上がらない。しかし、三代目JSBもAAAもテレビからツイッターへとうまく誘導できたことで成功した好例であり、このやり方はプロモーション戦略の上で大きなヒントになるはずだ。text by 栗本斉
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