2016/10/22 12:00
かつてテイラー・スウィフトが鮮烈な登場でカントリー・ミュージックに新たな息吹を与えたように、今、確かなDNAを携え日本のロカビリー・シーンの新たな幕明けを担わんとするひとりの女性シンガーがいる。
名前は青野美沙稀(あおのみさき)。11月23日にミニアルバム『1959 ~Magical Rockabilly Night~』をリリースする彼女は、80年代にロカビリーバンド BLACK CATSのメンバーとしてデビューし、90年代にはMAGIC、その後も数々のバンドメンバーとして、時に裏方としてシーンを牽引、支えてきた久米浩司の愛娘。BLACK CATSはデビューからわずか1年ほどでゴーゴーズのオープニングアクトとして全米ツアーに帯同し、あのジョニー・サンダースやクラッシュをも魅了するなど日本が世界に誇った伝説のロカビリーバンド。そのドラマーである父からDNAを受け継いだ、24歳の女性シンガーだ。
幼少期より父の聴くロカビリーやビートルズをはじめとする様々な洋楽を自然と吸収、4~5歳の頃にはMAGICのレコーディングを行っているスタジオに同行することもあり、空き時間を使って父と共に遊びで歌を録音していたそうだ。そうして培われた才能は、シンガーのみならずモデルやwebマガジン編集長などマルチな活動を経て、豊穣に開花した。当初は“舐めていた”という父 久米浩司も、昨年5月に彼女のライブステージを鑑賞してその才に直面。期しくも、美沙稀自身が自らの今後の道として音楽活動への専念を決意し、「ロカビリーを自らのアイデンティティーとした音楽活動をしたい」と父に相談したことで、話は一気に加速する。3年前から音楽プロデューサー 真崎修と温めていた楽曲を元に、本作へと構想は広がっていった。
以上の経緯をもって生まれたのが、ロカビリー・シンガー 青野美沙稀の1stミニアルバムとして11月23日にリリースされることが発表された『1959 ~Magical Rockabilly Night~』である。久米が手腕を振るい、ロカビリーの作法を丁寧に通しながら、リズムや音には洗練された現代の手法を取り入れた。しかもレコーディング中には、エルヴィス・プレスリーやバディ・ホリーと並ぶロック・ミュージックの父 ビル・ヘイリーを定期的に再生し、自身らが今作っている楽曲のインパクトがそこに負けていないかチェックしていたという念の入りようだ。
BLACK CATS結成から数えれば約35年、常にシーンの表裏で活躍し続けてきた男が、現代の最先端に負けない音圧、迫力でロカビリーを鳴らす。そのハイブリットなサウンド上を踊るように、時に無邪気さすら感じさせるほど自由に色彩豊かなメロディを奏でていくのが、自身のDNAを受け継いだシンガーだった。久米が現代に求めたロカビリーは、自らを成長させてきたシーンへの思いと、その成功によって培われた新たな才能の邂逅という意味でもハイブリットに、オリジナリティ溢れるサウンドへと昇華したのだ。
奇しくも昨今はファッションシーンにて50年代のテイストを取り入れたアプローチが国内外でブームの兆しを見せており、その熱は音楽にも波及しつつある。伝説のバンドから始まったロカビリーのDNAを受け継いだ気鋭のシンガーは、時代に挑戦する『1959 ~Magical Rockabilly Night~』でどのような潮流を生み出してくれるのか、注目だ。
撮影:杉岡祐樹
◎ミニアルバム『1959 ~Magical Rockabilly Night~』
2016/11/23 RELEASE
POCS-1519 1944円(税込)
収録曲:
01.Midnight of trip
02.バンビーナ
03.ガールズ狂想曲
04.sweet drive
05.フレンズ
06.Love Forever
◎【青野美沙稀リリースパーティー「1959 ~Magical Rockabilly Night~」】
11月22日(火) 東京 原宿アストロホール(SOLD OUT)
出演:青野美沙稀(Support Band:CHICKEN THE SUN)、上澤津孝、SIDE-ONE
OPEN 18:00 / START 18:30
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