2016/10/15
映画『ダゲレオタイプの女』の初日舞台あいさつが15日、東京都内で行われ、本作のメガホンを取った黒沢清監督、ゲストとして俳優の西島秀俊が登壇した。
全編フランス語で撮り上げた黒沢監督の海外デビュ-となる本作は、世界最古の写真撮影方法“ダゲレオタイプ”を軸に、芸術と愛情を混同した写真家の父の犠牲になる娘と、彼女に心を奪われた男の悲しい愛の物語が展開する。
“世界デビュ-”と評された黒沢監督は「大げさ」と笑いながらも「一度海外で映画を撮ってみたいというのは夢だった。この年になって実現できたのは本当に幸運。実力だけではつかめない、偶然の人々との出会いがあってできたこと」と感謝を述べた。
この日は、黒沢監督の作品に数多く出演してきた西島が、花束を持って駆け付けた。「芸能人との付き合いが少ない中、唯一あるのが西島くん」と明かした黒沢監督は「一気に華やかになった」と語り、照れ笑いを浮かべた。
西島は「皆さん、何でこの人?ってポカンとしていますが、ただのファンです」と自己紹介。黒沢監督が「出演してなかった?」ととぼけると、西島は「こんな名優の中で出演していたら、それはうれしいですけど」と返した。
西島は、本作について「傑作ですね。うらやましいですよ。黒沢さんって本当はこういうのを撮りたかったのかなって。黒沢監督が撮る、日本の白い壁紙に蛍光灯で…といった寒々しい世界が本当に好きなんですが、今回、青いドレスの女性とか、階段だったりを見て、こういうゴシックな世界を本当は撮りたかったのかな…と嫉妬しました」と率直な思いを語った。
さらに西島は「黒沢さんにはどんどん海外で撮っていただきたい。それが僕の夢です」とコメント。「世界デビュ-、正直僕からすれば『遅いですよ』って」と本音を漏らしつつ、「完成作を見たら、これはもうフランス映画じゃないですか。これだけフランス、ベルギ-を代表する僕の大好きな俳優たちが黒沢監督の作品に出たいと集まっている。だからもっと世界に…」と語った。
黒沢清監督(左)と西島秀俊
エンタメ OVO
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