英ブライトンを拠点にバラバラのバンドで活動していたイジー(Vo.&Gt.)、クリス(Gt.)、トミー(Ba.)、トム(Dr.)によって2014年に結成されたブラック・ハニー。まるでラナ・デル・レイがジーザス&メリーチェインのフロントウーマンになったら、とでも言ったらいいだろうか。シューゲイザーやアメリカーナにも傾倒した、どこか憂鬱でロマンチックな音世界を展開し、そのレトロでキッチュなヴィジュアルも話題を呼んでいる4人。デビュー・アルバムをリリースしていないにも関わらず、2016年8月の初来日では単独公演を行い、【SUMMER SONIC】へ出演するなど、ここ日本でも注目度急上昇中のバンドに話を訊いた。
―今回、初来日とのことですね。東京の印象はどうですか?
イジー:今日で滞在5日目になるかな。観光客っぽいことは、ほぼすべて堪能したよ。お寺、猫カフェ、原宿、映画『ロスト・イン・トランスレーション』に出てたカラオケ・ルーム、お酒もたくさん飲んだし…最高にアメイジング!日本に来ることができて、とても光栄。だって、あたしたち、ブライトン出身のちっぽけなバンドだから。あんな小さな町から、こうやって東京に来てフェスに出れるなんてスゴイことよ。またすぐにでも戻ってきたい。
トム:これまで多くのフェスに出演しているけれど、日本のフェスに出演できたのは別格だ。
イジー:あんなに豪華なケータリングも初めて!ケータリングのためだけでも、バックステージ・パスが欲しいぐらい(笑)。
―気になるデビュー・アルバムの制作は進んでいるのですか?
イジー:正確には、まだ制作は行っていないの。でも、曲はめちゃめちゃ沢山ある。100、いや200曲ぐらいあるかな。どういう作品にしたいか、きっちりヴィジョンはあるんだけど、今はツアー、ファンベースを広げること、あとはプロデューサーや色々な人々と繋がることだったり、ミュージック・ビデオを作ることに焦点をおいてる。だから、アルバム制作は現段階でプライオリティじゃないんだ。
―そうなんですね。アルバムを待ち望んでる人は、大勢いると思いますよ。
イジー:だと、いいんだけどね(笑)。すでにEPも何枚かリリースしてるし、リリースしたい気持ちはあるんだけど、だからと言ってあまり急かさないようにしてるの。最近だと、毎週末どこかのフェスに出演してるから、月曜~火曜日の間に曲を書いて他のバンド・メンバーに見せて、水曜日にスタジオ入りした時に新曲に取り掛かったり、リハをして、木曜日は取材を受けたり、フォトシュートをしたりっていう感じね。だから、すごくいいバランスで物事が進んでる。もうすぐ初のミュージック・ビデオも公開される。LAで撮影したんだ。
―これまでのヴィジュアルからもこだわりが伺えるので、どんな作品に仕上がるか楽しみですね。
イジー:うん!大まかに言うとウェスタンなんだ。
―メンバー全員出演しているんですか?
イジー:あたしは出てる。今話せるのは、これだけよ。あとは公開されてからのお楽しみ!
―わかりました。では、楽曲制作について、もっと詳しく教えてください。
トミー:イジーが書いた詞とメロディを、スタジオでみんなで肉付けしていくんだ。そうやって共同で曲作りできるのはいいことだと思う。意見が合わないことも少なくないけど。
―でも、そこがバンドの醍醐味ですからね。
トム:あぁ。稀に、イジーが丸ごと1曲完成させてくる時もあるけどね。その時、その時で、臨機応変にやる感じだね。
―ブラック・ハニーの楽曲は、シューゲイザーやアメリカーナのテイストもある、ややレトロなサウンドが特徴的ですが、機材のこだわりについても教えてください。
イジー:機材は最近のものが大半だけど、やっぱりヴィンテージっぽい見た目やサウンドがするものが好きね。ファズ・ペダルとかも、ヴィンテージのストンプボックスを使ったものを特注してるし。100ポンドぐらいする60年代のレアなペダルに似たものを自分が好きなようにカスタマイズしてるから、すごくクールよ。私のギターは違うけど、クリスのギターはヴィンテージ。だから、モダンとヴィンテージが上手くブレンドされたセットアップになってる。
トミー:僕らのサウンドはその2つの要素のフュージョンだからね。自分たちでレコーディングする時は、プロセシング・ソフトを使ったりもするし。
イジー:あたしたちにとって、曲のトーンはすごく重要なの―ペダル選びから音作りまで、すべてにおいて。メロディというより、トーンを中心に曲作りを行っていくの。たとえば、ちょっと不気味なオルガンっぽいサウンドをギターでプレイしたり。そこから、ヴィジュアル面においても、インスパイアされることもあるし。
―では、最後に4人にとって“完璧なデビュー・アルバム”とは?
イジー:バンドとしての声明で、自分たちがどんなバンドなのか形容する作品。だからこそ、急ぎたくないの。自分たちのデビュー作は、シネマティックとポップな部分がうまく融合された作品にできればと思ってる。意外かもしれないけど、めちゃめちゃビッグなポップ・ソングが書きたいのよ。ちゃんと芸術性を兼ね備え、正しい基礎、文化的位置づけとタイミング、そしてバンドの影響が示唆できるような。
―個人的に好きなデビュー作はありますか?
トミー:オアシスのデビュー作は最高。それと(ジーザス&メリーチェインの)『サイコキャンディー』。
イジー:あ~、『サイコキャンディー』は鉄板よね。
トム:もちろんストロークスのデビュー・アルバムも。
イジー:確かに、あれが1stアルバムだったなんて信じられないほど、完璧な作品だったよね。
―4人とも音楽の趣味は似ているんですか?
イジー:そうね。最近ヴァンの中でよく聴いてるのは、ケイジ・ジ・エレファント、テーム・インパラとか。最近フランスによく行ってるから、フランスのアーティストにもハマってる。ジャック・デュトロンとかザ・リミニャナス(The Limiñanas)も大好き。毎日のように移動中に聴いてるんだ。
Live Photo: ©SUMMER SONIC All Rights Reserved.
◎リリース情報
「Hello Today」
ブラック・ハニー
2015/09/23 RELEASE
デジタル配信
「Headspin」EP
ブラック・ハニー
2015/04/29 RELEASE
デジタル配信
◎プレゼント情報
抽選で1名様に取材時に撮影したブラック・ハニーのサイン入りポラロイド写真をプレゼント
<応募方法>
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※応募締め切りは、9月30日(金)正午となります。
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2016年9月23日(金)~9月30日(金)12:00