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2016/08/09 19:45

ドレイクを破り全米首位をマーク!豪華ゲスト参加のずっしり重い『メジャー・キー』(Album Review)

 通算12週のNo.1を死守した、ラッパー、ドレイクの『ヴューズ』を破り、最新の米アルバム・チャート(8月20日付)でNo.1デビューを果たした、DJキャレドの通算9作目となるアルバム『メジャー・キー』。

 2006年、アルバム『リッスン...ザ・アルバム』でデビューを果たし、最高位12位をマークするヒットを記録。翌年に発売した2ndアルバム『ウィ・ザ・ベスト』では最高位8位をマークし、以降5枚のアルバムがTOP10入りを果たした。しかし、全米アルバム・チャート(総合)で首位を獲得したのは本作『メジャー・キー』が初、デビュー10周年という節目に自己最高位を更新する快挙を成し遂げた。

 花に囲まれ、椅子に腰かけるDJキャレド。足元にはライオンと…まるで、ミニー・リパートンの名作『ミニーの楽園』(1975年)を彷彿させるジャケットが印象的な本作。しかし、そのポップなイメージを覆す、内容はずっしり重く黒い、ヒップホップ・トラックが揃っている。

 ゲスト陣も豪華。ナズやジェイ・Z、バスタ・ライムスといったレジェンド級のベテランから、ジェイダキス、リル・ウェイン、ファボラス、ケンドリック・ラマー等、2000年代に大活躍した中堅もいれば、フューチャーやビッグ・ショーン、2チェインズやトラヴィス・スコット、ブライソン・テイラーなど、今をトキめくラッパー陣も参加している。

 シンガーでは、ジェレマイやクリス・ブラウン、メーガン・トレイナー等、実力派がクレジットされている。アルバム・チャートで首位を略奪されたドレイクも参加していて、彼がフィーチャーされた先行シングル「フォー・フリー」は、ソング・チャート13位まで上昇中、ラップ・チャートではTOP3入りする大ヒットを記録した。

 制作は、キャレドを中心に、ケント・ジョーンズの「ドント・マインド」などを手掛けるクール&ドレーや、ドレイクの新作やカニエ・ウェスト、リアーナのヒット曲にも携わっている、フランク・デュークスが参加。サンプリング・ソースには、ローリン・ヒル率いるフージーズの「フージーラ」(1996年)や、リル・ジョンのメロウ・トラック「ラヴァーズ&フレンズ」(2005年)、そしてイタリアの作曲家、ピエロ・ピッチオーニの「イッツ・ポッシブル」まで、幅広い世代の名曲が起用されている。マイアミ・ソウルの女王、ベティ・ライトが参加しているのも、キャレドならでは。

Text:本家一成

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