2016/06/28 17:01
クラシック・オーケストラとの共演も話題の玉置浩二が、6月20日と27日にビルボードライブ東京、そして22日と23日にビルボードライブ大阪で、それぞれソロ公演を行った。
キャパ300人の親密なクラブ空間で玉置の歌声が堪能出来るというだけでも観客の期待感は高まるが、それにも増して開演前の期待を煽るのが複数本のギターとDJデッキのみが並ぶという今回の楽器の編成。なんと今回のライブはDJ1,2と玉置の2人編成による、新境地とも言えるライブだったのである。
20日の公演では、冒頭、まずはDJ1,2が先立って登場。凄腕のターンテーブリストであり、Def Tech等のバックも務める日本屈指のライブDJでもある彼が、玉置の新たなステージを予告するようにビートの効いたプレイで魅せる。
そして、開場が温まったところで玉置が登場。シックなロングジャケットに身を包み、先日、鈴木雅之に提供し発表したばかりの「泣きたいよ」からステージを開始した。DJ1,2の繰り出すビートとサウンドに合わせて、その表現力豊かな圧倒的な歌唱を会場いっぱいに響かせる。さらに「青い“なす”畑」、「Star」等、過去の名曲が全く新しい響きの中で蘇る。それはシンプルな弾き語りとも言える玉置の スタイルを、より新鮮に聴かせる斬新な狙いもあったように思われた。
後半、「MR.LONELY」では、スクラッチを駆使したDJ1,2のダビーなリズムの上を玉置の歌声がダイナミックに横切る。かと思えば、「田園」では、DJ1,2がステージを降り、玉置がギターの弾き語りのみで会場に語りかける。最新のサウンドをまとっても、あるいは剥がしても変わらない、玉置自身の持つ音楽の“濃さ”が一層ダイレクトに伝わる編成だったとも言えるだろう。もちろん、マイクを通さずとも会場中に響き渡ってしまう豪快な歌唱は健在だ。
アンコールでは再び登場したDJ1,2とともに「メロディー」を披露。この日のライブの基調ともなっていたアブストラクトなヒップホップ・ビートに乗せて、色あせないメロディーを届けつつ、ラストでは今まで数々のファンを虜にして来た驚異的なロングトーンを聴かせ、観客の大喝采を呼び起こした。
元来の圧倒的なアーティスト力はそのままに、新たな境地を垣間見せた玉置。クラシックとの共演を経て、更に異次元へと進もうとしているのだろう。 そんな彼にとって、今やライフワークの一つとなりつつあるクラシック・オーケストラとのツアーは7月7日の大阪公演より再開する。今回のソロ公演を経て、クラシックとの共演はどんな方向へ進むのか。ファンはその動向にぜひ注目して欲しい。
◎公演情報
【玉置浩二】
ビルボードライブ東京
2016年6月20日(月)、27日(月)
ビルボードライブ大阪
2016年6月22日(水)、23日(木)※全て終了
【KOJI TAMAKI PREMIUM SYMPHONIC CONCERT -21st CENTURY RENAISSANCE-】
2016年 7月7日(木) 大阪・フェスティバルホール
大友直人指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
2016年 7月11日(月)、27日(水) 埼玉・大宮ソニックシティ
大友直人指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
2016年 7月14日(木) 札幌・ニトリ文化ホール
栁澤寿男指揮 札幌交響楽団
2016年 7月21日(木) 福岡・福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
栁澤寿男指揮 九州交響楽団
【横浜音祭り2016 】
2016年 9月22日(木)・ 23日(金) 横浜みなとみらい 大ホール
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