2016/06/28 17:00
ストームが近づいていた【Governors Ball Festival】2日目(6月4日)。夕方から小雨がちらつき、日が落ちたあたりから大雨に。そんな中、圧巻のステージで観客を魅了したザ・キラーズ、ハイム、ピュリティ・リングなどのライブレポートとライブ写真が、現地から到着した。
この夜、出演アーティストのアフターダークショウなる単独公演がマンハッタンやブルックリンの各地の会場で開催された。しかし翌日、最終日前夜から降り続いた雨で会場の各所が浸水する事態に陥り、主催者側は観客の安全と、会場となっているパークの状態をこれ以上悪くしない為にキャンセルという決断を当日の昼に発表。日曜出演予定だったアーティストのコートニー・バーネット、トゥー・ドア・シネマ・クラブ、プロフェッツ・オブ・レイジ、ヴィック・メンサらがリプレイスショウとしてマンハッタンやブルックリンのヴェニューで公演を行った。
◎Eliot Sumner/エリオット・サムナー
スティングの娘のエリオット。以前、I Blame Cocoとして活動を行っていたが、去年、同性愛者だとカミングアウトしガールフレンドがいることも明かした。当日はトップバッターのステージにもかかわらず、彼女のファンが大多数待っていた。この日の彼女は上下ブラックのヒップホップなスタイルで登場。今年1月発表したニューアルバムを中心にステージは構成された。
◎Louis The Chile
シカゴ出身、若干のEDMデュオ。マデオンのショウにて出会った2人がDJユニットを組んだのはたった数年前の事だが、今ではそのマデオン、フルームの人気を凌ぐほど。当然この日のテントステージには溢れかえるほどの人だかりが。アメリカではティーンを中心に、すでにものすごい人気を得ており、この日も熱狂的なティーンエイジャー女子を中心に会場内を沸かせた。
◎Torres/トーレス
シンガー、マッケンジー・スコットの音楽は悲痛とも言える叫びのようであり、その繊細かつ深い歌声とギターに観客は彼女の痛みを感じ、彼女を初めて見た観客に強いインパクトを与えた。
◎Jon Bellion/ジョン・ベリオン
こちらも地元NY出身、25歳のシンガーソングライター。観客側に高校時代の同級生が多く駆けつけ「地元の同級生が見える!今日はハイスクールリユニオンだ!」と言ってショウがスタート。日本ではまだ知名度が低いが彼のステージはロック、ヒップポップ、R&Bとなんでもありで観客を大いに楽しませてくれた。
◎Catfish and the Bottlemen/キャットフィッシュ&・ザ・ボトルメン
ここ数年においてのブリティッシュロックバンドのアメリカでの躍進が目立つ。アークティック・モンキーズを筆頭にThe 1975、イヤーズ&イヤーズ、ウルフ・アリスなど。キャットフィッシュ&・ザ・ボトルメンもその中の一つだ。「Soundcheck」でフロントマンのヴァンがギターを投げつけヘッドバンキングをすると、ファンが悲鳴にも近い歓声をあげる。彼の力強いギターリフ、リズミカルなベースライン、そして「Tyrants」でのドラムラインから彼らが世界的なロックバンドになり得ることを想像した。
◎Albert Hammond Jr./アルバート・ハモンド・Jr.
ザ・ストロークスのミスターギタリストアルバート・ハモンド・Jr.がソロで自身のバンドを従えて登場。ソロとしてステージに立つ彼はザ・ストロークスの時よりリラックスして、バンドメイトともより結託しているように見えた。それが観客にも伝わる。アルバートがドラムセットに立ち、体を仰け反りギターをプレイ。彼のステージはいつだってハイ・エナジー・ファンクショウなのだ。
◎Misterywives/ミステリーワイブス
こちらもNY出身5人組インディーズバンド。彼らのチューンはポップで、2016年に彼らがポップ界の中心になることは間違い無いだろう。
◎De La Soul/デ・ラ・ソウル
伝説的ヒップホップアーティストが【Govenors Ball】のヘッドライナーとしてではなく夕方のステージに立つのは少し奇妙にも思えた。しかしフォトピットはモッシュピットかのごとく、多くのフォトグラファー達がその伝説的瞬間をカメラに捉えようとが待ち構えていた。彼らは、登場を待ち構えるフォトグラファー達に「愛するフォトグラファー、君らのおかげで俺らがいることに感謝している。でもこの瞬間だけほんの少しだけカメラを置いて手を上げて俺らと一緒に時間を過ごしてみないか」と言い、観客だけでなくフォトグラファーにも至福の時をプレゼントしてくれた。
◎Miguel/ミゲル
来日キャンセルが記憶に新しいミゲル。彼のステージは、R&Bだけでなくソウルやファンク、レゲエなどが融合されている。ステージを走り回り、スタンドマイクを回し、軽快なステップどダンスで観客を魅了。70’sのディスコブームを彷彿とさせるショウとなった。
◎HAIM/ハイム
大雨の中、ハイムが登場。「If I Could Change Your Mind」でスタートした。3姉妹の長女であるエステが空に向かって雨が止みますようにとも取れるパフォーマンスをし、プリンスの「I Would Die 4 U」をカバー。ファーストアルバムの成功を得て、ニューアルバムが期待される彼女らは、新曲「Give Me Just a Little of Your Love」と「Nothing’s Wrong」をずぶ濡れになりながらも彼女らのステージを見ている観客にプレゼントした。
◎Purity Ring/ピュリティ・リング
ステージ上には光のカーテンのようなセットが用意され、ピンクからグリーン、そしてパープルにチェンジ。宇宙遊泳へと誘った。その光の中にシンガーのミーガンが登場。デビュー当時から、ステージセットがまるでおとぎの国に迷い込んだ気にさせてくれる素晴らしいセットなのだ。
◎The Killers/ザ・キラーズ
バケツをひっくり返したような雷雨に見舞われたこの日だったが、奇跡的にも彼らが登場したとたん雨が止んだのだ!「Mr. Brightside」の演奏が始まると、ステージから離れたテントステージで雨宿りしていた多くの観客も走ってメインステージに駆けつけた。ラスト曲「When You Where Youn」で夜空に花火が上がり、【Govenors Ball】の今年一番のハイライトとなった。
◎Albert Hammond Jr. After Dark Show at Brooklyn Bowl
昼間にステージを終えたばかりのアルバートがブルックリンに再び登場。雨も上がり大勢の観客が彼を待っていた。「Ebeyone Gets a Star」からスタートしアンコールの「Blue Skies」ではステージ上にアルバートが一人、アコースティックで弾き語り、計18曲を披露した。ステージ脇には長年の親友で俳優のダニー・マスターソンが彼のライブを見守っていた。
Photo & Text:ERINA UEMURA
The Killers、HAIM Photos:Governors Ball
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