2016/06/01 17:00
ユニセフ(国連児童基金)親善大使のケイティ・ペリーが、 ベトナムへの訪問を終え、 アジアの加速する経済成長の陰で置き去りにされている子どもたちに目を向けなければならないと訴えった。
ケイティは、 ベトナムの中で最も貧しい遠隔地の一つであるニントゥアン省を訪ね、障がいのある子どもたちが疎外されることを防ぐためのプログラムのほか、 子どもの生存、 教育、 早期幼児教育、 水と衛生、 気候変動など、 厳しい環境の中でユニセフが取り組んでいるさまざまな活動を視察。
「娘を亡くした後、 4人の孫たちを育てなければならなくなったおばあさんに会ったときには、 胸が張り裂ける思いがしました。 その家族は、 山の中の人里離れた村で、 なんとか食べ物を得て暮らしていました。 5歳になる孫のリンさんは、 深刻な栄養不良でした。 もしユニセフが養成した支援員がこの村に来ることがなければ、 リンさんは必要なケアを受けられず、 今このように生きていなかったかもしれません」とケイティは語り、「リンさんは、 日々困難に直面している多くの子どもたちのひとりです。 私たちはみな、 こうした状況に懸念を抱かなければなりません」と続けた。
家族を何世代にもわたって苦しめる貧困に加え、 この国の最も厳しい状況にある子どもたちやその家族の多くは、 いま、 気候変動の影響にも対処しなければならなく、安全な水やトイレの欠如と長期間の干ばつが相まって、 子どもたちはいっそう栄養不良や病気にかかりやすくなっている。
世界銀行の所得分類によると、 ベトナムは今や低中所得国の仲間入りしているが、 ケイティが訪問したような農村部では、 子どもたちは今なお多くを奪われ続け、 蔓延する貧困は大都市の明らかな発展とは対照的だ。
今回の訪問は、 ニントゥアン省で暮らす子どもたちを含め、 多くの子どもたちが繁栄の恩恵を公平に受けられていないという重要な問題に、 関心を集めることを目的としており、 ニントゥアン省の子どもたちの多くは、 親たちと同じ道を歩みたくない、 医師や教師になって親たちが生きてきた貧困のサイクルを抜け出したい、 という夢を、 ケイティと分かち合いました。
「私が出会った子どもたちはみんな、 素晴らしい夢をもっていました。 私たちは、 夢に向かう子どもたちを支えなければなりません。 最も貧しい子どもたちが人生において公平な機会を得られるよう投資することは、 正しいことであるだけでなく、 貧困の連鎖を断ち切り、 子どもの健康、 教育、 福祉を大きく向上させる最善の道なのです」とケイティは話した。
そして「ユニセフは、 都市部でも農村部でも、 裕福でも貧しくても、 すべての子どもが健康に成長し、 家族やコミュニティのために貢献し、 自分たちが生きる世界を形作る機会を得られるよう、 活動しています」と述べた。
ユニセフは、 少数民族の子ども、 貧困家庭の子ども、 障がいのある子ども、 虐待や搾取の危険に晒されている子どもをはじめとする、 ベトナムのすべての子どもたちにとって公平な意思決定がなされるよう、 国内のすべての支援プログラムを通じて、 政府やパートナー団体を支援している。
提供:(公財)日本ユニセフ協会
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