2016/04/26
米カリフォルニア州インディオにて毎年開催されている世界的野外音楽フェスティバル【コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル】。今年は、LCDサウンドシステム、ガンズ&ローゼズ、そしてカルヴィン・ハリスがヘッドライナーを務め、他にもシーア、エリー・ゴールディング、アイス・キューブ、クリス・ステイプルトン、ジャックUなど、米ビルボード・チャートを賑わすアーティストが大勢出演した。
昨年に続きBillboard JAPANの特派員が、2016年4月15日~17日にかけて行われたウィークエンド1に参加、まずは初日のアクトたちを写真とともにレポートしたい。なお、記事に掲載しきれなったライブ写真は、Billboard JAPANのFacebookページで公開されている。
Frances
【ブリット・アワード】のクリティック・チョイス賞にエントリーされた彼女。ジャック・ガラットが受賞したため、残念ながら逃してしまったが、初の【コーチェラ】でたった一人ピアノを弾きながらその透き通った声で彼女の世界観を披露した度胸は凄い。リラックスしたトークも含めどこかアデルを彷彿される部分もあり、今後アデルとあまり比較され過ぎなければいいと願う。来年にはバンド編成でのツアーを考えているようなので、フル・アルバムと一緒に今後の活躍が楽しみ。(Photo: Nate Watters | Coachella)
Lapsley
彼女自身アルバムで一番気に入っていて踊りたくなる軽快な「Operator」、低音ヴォーカルの演奏方法が興味深かった「Station」、観客の口づさみ率が高かった「Hurt Me」。8曲という短い演奏時間で、ベース、キーボード、ドラパッドとモダンなサウンドとオリジナリティー、そして特徴的なヴォーカルを披露する非常に完成度の高いパフォーマンスだった。(Photo: Ryan Muir / Coachella / Goldenvoice)
Mavis Staples
ステージに立っているだけでレジェンドのオーラが眩しかったメイヴィス・ステイプルズ。76歳の貫録といい感じに年を重ねた歌声、そしてバンドが生み出すグルーヴが素晴らしかった。(Photo: Nate Watters | Coachella)
Miami Horror
超ご機嫌ポップサウンドにステージに向かいながらついつい踊り出してしまったメルボルン出身のこのバンド。ディスコサウンドも心地よい1曲目「I Look to You」から観客は大盛り上がり。「Cellophane」と思われる曲でタキシードのバック・ヴォーカルとして日本でもお馴染みのギャヴィン・タリクが登場。さらにステージに幸福感が加わった瞬間だった。(Photo: Ryan Muir / Coachella / Goldenvoice)
Years & Years
オリー・アレクサンダーのヴォーカル音量が不足していたのかセット前半は音のバランスがいまひとつで、そしてメインステージは彼らにはちょっと大きすぎたかなという印象だった。MCで前日にロンドンから到着したばかりということから、万全のコンディションではないのだろうがラストの曲「Desire」ではいい演奏をしていたものの、ちょっと物足りなさが残った。(Photo: Erik Voake | Coachella)
Christine & the Queens
芸術性で突出していたフランス出身のクリスティーヌ&ザ・クイーンズ。バンドメンバー、ダンサー含め全員白の上着にグレーのパンツで統一され、息の合ったダンスにステージプレゼンテーションの高さ、フレンチのカバーとカニエ・ウェストの「Heartless」のマッシュアップなど引き出しの多さなど、今後の活躍に目が離せない。(Photo: Nate Watters | Coachella)
Gallant
デビュー・アルバムがこのパフォーマンスのたった9日前にしかもインディーからのリリースにもかかわらず、ほぼ満員の観客。1曲目「Talking to Myself」でファルセットを披露するや会場から大歓声が上がるという、早耳の観客がこんなにたくさんいたことにも驚かされた。バックバンドはギター、キーボード、ドラムとシンプル。普段は滅多にしないというシール「Crazy」のカバーを披露。途中でシール本人の登場に会場にいる観客がヒートアップ。シールと一緒に「Weight in Gold」の豪華ヴァージョンを最後に演奏。シールも惚れ込んだこの才能の今後が楽しみだ。(Photo: Ryan Muir / Coachella / Goldenvoice)
BØRNS
グラムロックにファルセットのヴォーカルという非常に楽しみにしていたパフォーマンスなのだが、直前に観たGallantに筆者がノックアウトされてしまったからから、声量とパワー不足を感じてしまった。「10,000 Emerald Pools」や「Electric Love」などキャッチーでポップな曲は非常に心地よかった。(Photo: Ryan Muir / Coachella / Goldenvoice)
M83
【コーチェラ】の1週間前にリリースされたアルバム『Junk』をじっくり聞く時間がなかったが、2曲以外は前作『Hurry Up, We're Dreaming』から演奏したフェスとしては大正解な選曲だった。演奏の時に気づいたのが、今年のメインステージのヴィジョンの大きさ。ステージ幅より広く、観客側だけでなく、ステージ内側までヴィジョンがある。日が暮れた後に演奏された「Wait」の時に、ヴィジョンに映し出された星空が音楽とその場の雰囲気に最高にマッチしていた。(Photo: Erik Voake | Coachella)
Sufjan Stevens
バンドだけでなくバックボーカル2名にホーン隊も従え、そして翼を付けて登場したスフィアン。選曲は「Carrie & Lowell」からほとんどなしでフェスで盛り上がる内容だったのは納得。「Vesuvius」にしてもアルバムよりもエネルギーに満ち溢れた感じで良かったが、スフィアンのヴォーカルが聞き辛かったのは残念だった。(Photo: Chad Wadsworth / Coachella / Goldenvoice)
Ellie Goulding
最新作『Delirium』の冒頭「Intro(Delirium)」~「Aftertaste」をそのまま再現してスタート。カルヴィン・ハリスの「Outside」「I Need Your Love」や「Burn」「Lights」「Anything Could Happen」など過去のアルバムからのヒット連続の圧巻のステージだった。(Photo: Erik Voake | Coachella)
Jack U
EDM界のスーパースター、スクリレックスとディプロのユニット。ステージ上には90年代のMacを彷彿させる巨大なオブジェが。約10分押しで、その巨大なオブジェに人影が登場。昔の電話回線からインターネットに接続する音が再現されて、接続後「Take U There」でライブスタート。アウトドアシアターに集まった観客全員タテ乗り。そして、ステージ上に見えるカイザ。が、ヴォーカルが全く聞こえない。まさかのマイク事故の状態のまま「Take U There」が終わってしまったのは残念。観客はそんなの関係ないとばかりに、この二人が投下するヒット曲やカバー曲(リアーナ「Work」、メジャー・レイザー「Lean On」、サム・スミス「Stay With Me」)に言葉通り踊り狂っていたのは間違いない。(Photo: Chad Wadsworth / Coachella / Goldenvoice)
LCD Soundsystem
巨大なミラーボールと共に始まった「Us v Them」。直前に観たジャックUと対照的なバンドサウンド。その演奏のうまさに文句の付けようがない。「I Can Change」でのアルバムと寸分違いのない演奏にこの5年間活動してなかったのが信じられないくらい素晴らしかった。(Photo: Erik Voake | Coachella)
◎公演情報
【コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル】
米カリフォルニア州インディオ
エンパイア・ポロ・フィールド
ウィークエンド1:2016年4月15日~17日
ウィークエンド2:2016年4月22日~24日
INFO: http://www.coachella.com
◎Billboard JAPAN 公式Facebook
http://www.facebook.com/BillboardJP
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