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2016/03/22

新国立劇場がフランスオペラ界の巨匠達とスター歌手と新制作で送る、14年振りのマスネ「ウェルテル」公演

 文豪ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を原作に、マスネがロマンティシズム溢れる色彩豊かな音楽で作曲したフランスオペラ珠玉の名作『ウェルテル』。フランスオペラ界の巨匠達と新国立劇場がこの4月、新たな『ウェルテル』を産み出す。

 オペラ『ウェルテル』の原作は、文豪ゲーテが25歳で書いた『若きウェルテルの悩み』。詩人ウェルテルは婚約者のある身のシャルロットに恋をするが、その思いを遂げられずに悩み、彷徨い、遂にはピストル自殺をしてしまう。当時ヨーロッパで大ベストセラーとなり、ウェルテルと同じように多くの失恋した若者が自死を選ぶことになったほど、大きな影響力をもった作品だ。

 新制作『ウェルテル』の演出を担うのは前・パリ・オペラ座総監督ニコラ・ジョエル。マスネ作品の多くを演出し、『ウェルテル』も何度も演出しているフランス・オペラ界の重鎮だ。美術デザイナー:エマニュエル・ファーヴル、衣裳デザイナー:カティア・デュフロの2人による20年来のチームワークで成し遂げられる衣裳と舞台美術のハーモニーも見所の一つ。18世紀のドイツの田舎町をイメージしたクラシックで重厚な舞台美術を背景に、激しい愛の物語をどのように描き出されるかが注目されている。

 タイトルロール・ウェルテルには、甘い美声と端正な容姿で世界的な人気急上昇中のロシア若手テノール、ディミトリー・コルチャックを、ヒロイン・シャルロットは、近年世界の歌劇場で素晴らしい出演歴を誇るエレーナ・マクシモワを迎えた。誠実な婚約者アルベールは、本年2月に小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXIV「こうもり」にも出演し、人気、実力共に抜群のアドリアン・エレートが登場。

新国立劇場での「ウェルテル」上演は2002年以来14年ぶりとなる。この貴重な機会を見逃さないようにしたい。text by yokano

◎公演概要
ジュール・マスネ作曲 オペラ『ウェルテル』
全4幕〈フランス語上演/字幕付〉
場所:オペラパレス
時間:全5公演
2016年4月3日(日)14:00
2016年4月6日(水)14:00
2016年4月9日(土)14:00
2016年4月13日(水)18:30
2016年4月16日(土)14:00

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