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2016/02/03

新国立劇場、ヤナーチェク作曲オペラ『イェヌーファ』原語チェコ・モラヴィア方言上演 リハーサル開始

 新国立劇場が2月28日から上演するオペラ『イェヌーファ』のリハーサルが1月31日に開始された。ベルリン・ドイツ・オペラで2012年に初演され絶賛を博したプロダクションが、ほぼ初演時の同キャスト招聘により更に練りこまれた状態で堪能できる。

 原作は、閉鎖的なモラヴィアの寒村を舞台に実際に起こったふたつの事件を元に書かれた戯曲だ。養女、後妻、連れ子、義兄弟、父無し子など複雑な家族の繋がりを背景に持ち、現代に通じる男と女の苦悩と愛情、引き起こされる傷害事件と、嬰児殺害、跡継ぎ問題、相手を思うが故の罪、そして白日の下にさらされるエゴイズムを、リアルに赤裸々に描き出している。

 『イェヌーファ』は、ヤナーチェクが50歳の時に初演された第3作目のオペラ。原作である戯曲の散文風の会話をそのままオペラに仕立て、モラヴィア方言で書かれていることが特徴だが、原語の難しさからドイツ語上演されることが多く、日本で原語上演に触れられる希少な機会となる。

 リハーサル初日はシュテヴァ役のジャンルカ・ザンピエーリ、そして日本人出演者全員が稽古場に集合して、顔合わせからスタート。飯守泰次郎芸術監督は「ヤナーチェク作品を上演したいという希望をずっと持っていました。良いプロダクションが見つかり、新国立劇場で上演でき夢が叶いました」と語った。

 演出補のエヴァ・マリア・アベラインは「ロイ演出の『イェヌーファ』は、コステルニチカの回想から物語が始まります。回想、反省が本作品の主軸となるテーマです。テラリウムのような舞台装置で人間関係が明確に描き出されます。さらけ出された部屋にいる人物を顕微鏡で見るような感じです。イェヌーファはこの作品の“内なる光”です。人間関係の中でも、コスニチカとイェヌーファの関係を重視しています」と語り、詳細なコンセプト説明があった。

 2月2日には作曲家ヤナーチェクの伝記映画である「白いたてがみのライオン」が無料上映され、多くの人が詰めかけた。2月13日には小沼純一氏と声楽家達による実演付きトークイベントが行われる予定。『イェヌーファ』の理解を深め、より楽しむためにも是非足を運びたい。text by yokano


◎公演概要
ヤナーチェク作曲:オペラ『イェヌーファ』
2016年2月28日~3月11日 全5公演

more info:http://www.nntt.jac.go.jp/opera/jenufa/

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