春の訪れとともに上野で開催される【東京・春・音楽祭―東京のオペラの森2016】。今年は日伊国交樹立150周年を記念し、リッカルド・ムーティとケルビーニ管＆日本の若手トップ奏者による特別オーケストラがオープニングを飾る。

　今年で12回目を迎える【東京・春・音楽祭（東京春祭）】。実行委員長を務める鈴木幸一氏は「この音楽祭は、国や公的資金を受けていない。地元（東京）の人たちが自分たちで音楽祭を作っていくというのが重要だと思った」と12年間を振り返る。開始当初は来場者も少なく、5年で辞めようと思っていたという。ところが、回を重ねるにつれ音楽祭の認知も向上し、2011年の東日本大震災の年にも音楽祭は行われた。ズービン・メータとNHK交響楽団が涙を流しながらも演奏を続けた第九の熱演は、今も最も素晴らしい第九の1つとして音楽ファンの中で語りつがれている。

2016年の東京春祭は、3月16日から4月17日まで開催。ワーグナーのオペラを演奏会形式で上演する「東京春祭ワーグナー・シリーズ」は、2016年バイロイト音楽祭への出演が決まっているマレク・ヤノフスキが、『ニーベルングの指環』2日目「ジークフリート」に挑む。その他、期間中の展覧会とのコラボ公演や＜ナイトミュージアム＞コンサートなど、上野ならではの人気シリーズが今年も行われる。そして、エンディングは、オルガン奏者であり作曲家であるモーリス・デュリュフレの「レクイエム」。ケンブリッジ大学キングス・カレッジ聖歌隊出身の指揮者レオ・フセインがもたらす崇高なハーモニーに、客席が身をゆだねることだろう。

また、1月3日には、TBSラジオにて【東京・春・音楽祭スペシャル】が放送。鈴木幸一実行委員長と、松平定知（元NHKアナウンサー、京都造形芸術大学教授）、堀井美香（TBSアナウンサー）、飯尾洋一（音楽ジャーナリスト）が、注目公演について1時間語り尽くすプログラムとなっている。

◎公演情報
【東京･春･音楽祭 −東京のオペラの森2016−】
期間：2016年3月16日（水）～4月17日（日）
会場：上野恩賜公園（東京）、東京文化会館、上野学園 石橋メモリアルホール、国立科学博物館、東京国立博物館、東京都美術館、国立西洋美術館、上野の森美術館　／他
東京芸術劇場

◎放送概要
TBSラジオ『東京･春･音楽祭 スペシャル』
放送日時：2016年1月3日（日）19時～20時
出演：堀井美香（TBSアナウンサー）、飯尾洋一（音楽ジャーナリスト）
スペシャル対談：鈴木幸一（東京・春・音楽祭実行委員会実行委員長、株式会社インターネットイニシアティブ代表取締役会長）松平定知（元NHKアナウンサー、京都造形芸術大学教授）