2015/12/02 17:15
2015年12月1日、今年の【SUMMER SONIC】でも来日したLAバンド、スモールプールズが渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて単独公演を行った。
前回より約4か月ぶりという比較的短い期間での再来日となった彼ら。そのサマソニで彼らを知った人々をはじめ多くのファンが集まり、会場は開演前から超満員となった。ライブ前にはジャミロクワイなど90年代後期~00年代初期の洋楽ポップスが流れ、バンドのポップな魅力を暗に強調していた。
この日のライブは「オーヴァー・アンド・オーヴァー」の演奏からスタート。ボーカル/キーボードのショーンの赤いコート+タンクトップ姿が目に眩しい。相変わらず新人(と言っても、それなりに経験もキャリアもあるバンドだけど)としては非常に精度の高い演奏と、思わず口ずさんでしまうウルトラ・キャッチーなメロディでグイグイと客席を盛り上げる。観客もすっかりパーティ・モードでバンドの差し出すサウンドを全力で楽しんでいた。
3曲目に披露された「メイソン・ジャー」から4曲目の「アメリカン・ラヴ」への流れでは、高速のビートとギター・ブレイクのコンビネーションが、近年のJ-ROCK系バンドとの好相性を思わせる。彼らが日本で人気を得ている理由の一つに、こうしたサウンドが日本のオーディエンスに馴染みが良いことも関係しているのではないだろうか。
前回の来日時も「キラー・ホエールズ」の演奏でシャチ風船を小道具に使うなど、エンターテイメント性の高いライブを繰り広げていた彼らだが、今回のライブではそのモードにさらに一段振り切った。この日、中盤では、カナダのシンセ・ポップ・バンド、エレクトリック・ユースの「ア・リアル・ヒーロー」のカバーに続けて、ドラムのボー・クサーがドラム・ソロを披露。ボーのドラミングが激しさを増す中、そのバックに突如ジャスティン・ビーバーのヒット・チューン「ホウェア・アー・ユー・ナウ」が流れると、そのサウンドに見事に演奏を合わせて観客を楽しませた。あるいは次の演奏ではバンドの人気曲「カラオケ」とザ・キラーズの「ヒューマン」を“マッシュアップ=合体”させて聴かせるなど、ポップ系ミュージシャンが好んで使う手法を効果的に使ったライブ内容が印象的だった。
ショーンが「キャンプ・ファイヤーだよ」と言ってスマフォの画面で焚き火の写真を見せ、それを囲むようにメンバーが集まってはじまった「リーン・オン(ミー)」の演奏も巧みだった。この曲はメジャー・レイザーの「リーン・オン」と、ビル・ウィザースの「リーン・オン・ミー」のやはりマッシュアップを、プラスチック・バケツのパーカッションとアコースティック・ギターの伴奏で披露するというもので、演奏までの運びのやり取りにもユーモアが溢れていた。
本編ラストでは前述の「キラー・ホエールズ」(もちろんシャチ風船も登場!)、そしてアンコールでは「ノー・ストーリー・タイム」と勢いのある演奏で畳み掛け、最後はお待ちかねの「ドリーミング」でライブを締めた。既にホール級の会場でも映えそうな演奏力とエンタメ心で集まったファンを十二分に楽しませるライブを披露した彼ら。ぜひ早い次作と再来日を期待したい。
Photo:©MASANORI NARUSE
◎ライブ情報
【SMALLPOOLS】
2015年12月2日(火)渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 18:00 / START 19:00
<セットリスト>
01. オーヴァー・アンド・オーヴァー
02. ダイイン・トゥ・リヴ
03. メイソン・ジャー
04. アメリカン・ラヴ
05. ホワッツ・ザット・ア・ピクチャー・オブ?
06. ア・リアル・ヒーロー(カバー)
07. カラオケ/ヒューマン(カバー)
08. ストリート・ファイト
09. リーン・オン/リーン・オン・ミー(カバー)
10. ラヴタップ!
11. キラー・ホエールズ
En-1. ノー・ストーリー・タイム
En-2. ドリーミング
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