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2015/10/14

フラメンコ・フェスティバル閉幕、サラ・バラス『ボセス=フラメンコ組曲』、アンダルシア・フラメンコ舞踊団

 【フラメンコ・フェスティバル】は2001年にニューヨークで始まったフェスティバルで、その後、ロンドンやパリ、日本などで開催されており、フラメンコ界を代表する豪華な顔ぶれが揃う。日本では2005年、2013、14年に引き続きの開催となった。

 今回来日し、初日からの2公演を上演したのは、本場スペインで圧倒的な人気を誇るサラ・バラス。カルロス・サウラ監督映画『フラメンコフラメンコ』に深紅の衣装で登場し、そのストイックな肉体美と他を圧倒するサパテアードで記憶に残っている方も多いだろう。2014年12月パリで初演された自身の振り付け作品『ボセス=フラメンコ組曲』をもって、10年振りの来日となった。

 パコ・デ・ルシア、アントニオ・ガデス、エンリケ・モレンテなどフラメンコの巨匠たちへのオマージュ作品である今回の『ボセス』。フラメンコの高見に上り詰めるサラの厳しさとストイックさの中に、フラメンコへの愛と巨匠達へのリスペクトが昇華した感動的な舞台となった。カーテンコール時にはサラが舞台上の肖像画に深く一礼する場面も。予定時間を大幅に超えた激しい初日公演の後にはアフタートークが開かれ、サラとパコやガデスとの出会いが他ならぬ日本だったエピソードなどがサラ自身の口から語られる、貴重な場となった。

 また最終日には、フラメンコ生誕の地アンダルシア州から、州立のアンダルシア・フラメンコ舞踊団が来日した。来日は愛知万博開催時の名古屋公演以来の10年振りとなり、多くのファンが詰めかけた。2014年に舞踊団創立20周年を迎え記念して制作された作品『イマヘネス』。創立当時に舞踊団ソリストだったラファエラ・カラスコが、クリスティーナ・オヨス、マリア・パヘスなど舞踊団歴代監督の作品にインスパイアされて作った作品で、現芸術監督として振り付け、自身も出演した。音楽も振り付けも新たに作り出しつつも、伝統的なフラメンコへの敬愛込めた作品となっている。

 タブラオで楽しむフラメンコとは違う、テアトロならではの最高級のフラメンコを存分に堪能出来る3日間、満員の客席は連日のスタンディングオベーションがわき起こり、今後の【フラメンコ・フェスティバル】開催にも期待が高まる3日間閉幕となった。

◎公演概要
2015年9月21日(月・祝)、22日(火・休) サラ・バラス 『ボセス フラメンコ組曲』 写真:HirohisaAoyagi
2015年9月23日(水・祝) アンダルシア・フラメンコ舞踊団 『イマヘネス』 写真:Luis Castilla

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