2015/10/09
アメリカのミュージック・シーンは、常にめまぐるしい。「~に続くイケメン実力派シンガー誕生!」や「新たなディーヴァが登場した」など、誰かが売れれば、誰かがこういったキャッチコピーを背負って、登場する。ショーン・メンデスというアーティストもそのうちの1人だが、17歳という若さで、この貫禄の歌声や、ソング・ライティングには、やはり驚かされる。もちろん、女性陣が黄色い声援をおくる、その完ぺきなビジュアルも含めて。
今年最大のヒット作『1989』がいまだ売れ続けている、女王テイラー・スウィフトの【1989ツアー】のオープニングアクトをつとめたことで、一気にその名が世界に拡散した、ショーン・メンデス。まさに“逆シンデレラストーリー”を実現させたといったところだが、シビアなアメリカのリスナーは、ただテイラーの前座をやったところで、注目してはくれない。テイラー登場前の興奮を、さらに掻き立ててくれるような存在感と、胸に染みるトラックが、その人気を生んだのだ。
今年の春にリリースした、デビュー・アルバム『ハンドリトゥン』は、初登場でNo.1を獲得、ノルウェーやカナダでも同首位をマークし、大ヒットに至っている。そのアルバムから、3rdシングルとしてリリースされた「スティッチズ」が、10月はじめのシングル・チャート(HOT100)で9位まで上昇し、シングル初のTOP10入りを果たしている。6月末に公開されたビデオは、4000万再生回数を突破。今もその人気は衰えることなく、かかりまくっているようだ。
アクション・ドラマのワンシーンのような、動くショーン・メンデスもまた違った魅力があり、この人がシンガーだということを忘れてしまうほど、役に没頭し、演出性を高めているビデオも、クオリティが高い。鏡越しにみるラストシーンでは、キュン死の声もあがるだろう。デジタル・トラックやヒップホップ・チューンなど、ここ最近のヒット曲は、クラブ・オリエンテッドなものが多い中で、ここまで従順にアメリカン・ポップスで勝負するシンガーも珍しい。
アルバム『ハンドリトゥン』には、「スティッチズ」のほかにも、スタンダードなポップスから、弾き語りのメロウまで、美しい旋律を奏でるナンバーが揃っていて、日本のリスナーにも、しっくりくる楽曲が揃っている。日本のみならず、世界規模で共有できる名盤だ。これから飛躍すること間違いないショーン・メンデス、来年の今頃には、日本でも黄色い声援を浴びているかもしれない。
Text: 本家 一成
◎「Stitches」MV
https://youtu.be/VbfpW0pbvaU
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