2015/09/06 14:44
映画監督×ミュージシャン×俳優たちが火花を散らす異色の映画祭【MOOSIC LAB(ムージック・ラボ)】。そのラインナップのひとつ、監督:小根山悠里香×出演&音楽:Maison book girlによる映画『マイカット』が高い評価を得ている。
<女性新人映画監督×芸術性の高いアイドルによって生まれた映画>
【MOOSIC LAB】初の公募枠から選出された女性新人映画監督、小根山悠里香。まるでおとぎ話のような世界観、緊張感溢れるポエトリーリーディング、サクライケンタによる現代音楽とアイドルポップスを融合させた音楽性等、芸術性の高いアプローチで注目を集めるアイドルグループ Maison book girl(メゾンブックガール)。この組み合わせによって生み出された映画『マイカット』が新宿K'sシネマにて現在公開中、大阪/神戸/広島/沖縄などでも上演予定となっている。
<革新的なアプローチながら、その設定がコミカルでキャッチー>
映画の概念をひっくり返すセンセーショナルな作品、もしくはザッツ・アンダーグラウンドなB級映画を多く輩出してきた【MOOSIC LAB】だが、この『マイカット』は革新的なアプローチながら、その設定がコミカルでキャッチー。けれども妙な緊張感が漂い続ける新感覚ムービーとして、映画フリークやMaison book girlのファン、映画や音楽の業界関係者のあいだで高い評価を得ている。その内容は……(以下、ストーリーの核心やオチについては記しませんが、一切のあらすじや前情報を遮断して『マイカット』に臨みたい人は読まないで下さい)
その内容は、音楽療法を受ける多重人格の主人公・ミエコの“心の家”を描いたものだが、まずこの精神世界のロケーションが定番の“宇宙”や“海辺”や“真っ白な空間”ではなく、昭和然としている古びた○○荘的な家であるのが面白い。そこで主人公の別人格たちが意見をぶつけ合いながら、突然現れた4人の少女(Maison book girlの4人が演じている)たちに翻弄されながら、ひとつの決断に向かって生活しているのだが、その様子は時にコミカルで、時に物悲しく、時に愛らしい。
<そして気になるMaison book girlの4人の役割は……?>
また、そのストーリーを彩るサクライケンタによる音楽は、登場人物たちの心情や各シチュエーションを際立て、ファンタジーでありながらリアルという『マイカット』の世界観そのものを奏でている。そして気になるMaison book girlの4人の役割……に関しては、ぜひ劇場やDVD(になるのかは知らないが、DVD化されるぐらいの話題作になってほしい希望を込めて)で直接確かめてほしいが、とりあえず4人とも妖精? 天使? ペット? のように振る舞っていて、実に可愛らしい。彼女たちのファンならこれだけでも観る価値はあるだろう。
夏の終わり、秋の始まりといった季節の変わり目。誰かとの別れ、新たな出会いといった人生の変わり目に鋭く、そして優しく響くムージックとなっているので、まだご覧になっていない人はぜひ体感してみてほしい。なお、YouTubeでは、同作の特報映像(http://bit.ly/1JXG9VE)が公開中だ。
取材&テキスト:平賀哲雄
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