2015/09/04
毎年夏に開催される、白寿ホール主催「ギター・フェスタ」。今年10周年を迎えるこのフェスティバルでは、テーマをギターの生まれた国「スペイン」に据え、8月21日から23日の3日間、国内外の著名なギタリストたちの演奏が繰り広げられた。
第一夜では、日本を代表するギタリスト荘村清志、福田進一それぞれによるソロリサイタルとフラメンコギター沖仁ステージとあって、チケットは早々に完売。荘村によるアルベニス「グラナダ」で幕明けたフェスティバルは、マラッツ、モレノ=トローバによる『スペイン』要素を濃厚に感じられるプログラムを経て、福田進一のロドリーゴ「古風なティエント」へ。カタロニアの作曲家マネンの大曲「幻想ソナタ」を披露し、会場に響き渡る世界観に客席からは大きな拍手が沸き起こった。
後半は沖仁によるフラメンコレパートリーやオリジナル楽曲を交えたステージとなり、即興的に演奏されたブレリアの終わりにはハレオが飛び出し、会場は一転してタブラオの雰囲気に。ステージの終わりにはスペシャル・アンコールとして、沖仁と福田進一デュオによるファリャが披露され、オール・スター・フェスティバルに相応しい華やかさで幕を閉じた。
2日目、3日目には、松尾俊介、藤元高輝、朴葵姫、そしてスペインからフランシスコ・ベルニエールを迎え、更に荘村清志とソプラノ歌手・小林沙羅によるスペイン歌曲リサイタルが行われるなど多彩なプログラムとなり、最終日には毎年恒例となっている委嘱作品のお目見え。今年は、スペイン作曲界の頂点に立つアントン・ガルシア・アブリルによる新曲「ヒラルダへの賛歌」が荘村・福田のデュオにより世界初演された。
記念すべき10年目を終えた白寿ホール主催「ギター・フェスタ」。荘村清志、福田進一によるプログラミング、そして毎年生み出される気鋭の作曲家による委嘱作品に、今後益々注目していきたい。text:yokano 写真提供:Hakuju Hall
◎公演情報
【第10回 Hakuju ギター・フェスタ2015 VIVA!エスパーニャ2】
8月21日(金)19:00 荘村清志、福田進一、沖仁、鈴木一義Quinta
8月22日(土)16:00 藤元高輝
8月22日(土)18:30 フランシスコ・ベルニエール、福田進一、荘村清志、小林沙羅
8月23日(日)15:00 荘村清志、福田進一、松尾俊介、朴葵姫、フランシスコ・ベルニエール
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