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2015/08/12

もしディズニーの悪役に子孫がいたら?映画『ディセンダンツ』のサントラが米ビルボード・アルバム・チャート1位に

 まさにサウンドトラック豊作年。ケーブルテレビのディズニー・チャンネルで大ブレイク中の映画『ディセンダンツ』のサントラ盤がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 タイトルが示すがごとく、ディズニーキャラクターの悪役に子孫がいたら…という設定で、その悪役の子孫たちが繰り広げるミュージカル・スタイルの映画、『ディセンダンツ』。破天荒なストーリー展開から、公開前も話題が絶えず、10代を中心に大ブレイク。歌とダンスシーンがメインということもで、映画のヒットに比例して、サントラ盤も初動枚数5万枚近い売り上げを記録した。

 『アラジン』ジャファーの息子役を演じたブーブー・スチュワートや、『101匹わんちゃん』クルエラ・ド・ヴィルの息子役のキャメロン・ボイスといった次世代を担うイケメンアクターに、美声を放つ『眠れる森の美女』マレフィセントの娘役のダヴ・キャメロン、『白雪姫』魔女の娘役のソフィア・カーソンという2人の美女を交えた、4人の若手が本作のメインキャスト・歌い手で、ディズニー映画に起用されただけはあり、その実力も折り紙付き。アメリカでの首位獲得から、今後各国で人気が拡散していきそうな予兆をみせた。

 先週のチャート集計から、Apple Musicのストリーミング・ポイントも、シングル、アルバム・チャート、そしてジャンル別のチャートに視聴回数がポイントとして加算されることになったが、その影響からか、ストリーミング・ポイントが大きく反映した、フューチャーの『DS2』は2位に停滞、テイラーVSアップル騒動として話題をよんだ、テイラー・スウィフトの『1989』は再びTOP3に浮上し、エド・シーランやドレイクなど、ストリーミングに強いアーティストが、それぞれランキングを伸ばしている。

 一方で、CDがまったく売れなくなった今日、パッケージでの売り上げが激増しているのが、LP、いわゆるレコード盤だ。2013年には、前年比の39%も増加し、その勢い衰えることなく、すでに400万枚を突破した今年最大のヒット作、テイラー・スウィフトの『1989』も、そのセールスの1%、つまり4万枚近くはLPの売上だというから、驚かされる。

 アナログとしての音を楽しむ、という用途だけではなく、部屋のインテリアやコレクト・アイテムとしての需要も高く、また時代背景として、SNSにアップするために、LP盤をあえて購入するというユーザーも増えていることが、LPブームの要因としてあげられる。

 今週は、そのLPのリリースを受けて、ロック・デュオ、トゥエンティ・ワン・パイロッツの『ブラリーフェイス』が、先週の20位から8位へ、ジャンプアップした。

 今年5月にリリースされ、自身初のTOP10入りにして、初のNo.1獲得を記録した『ブラリーフェイス』。一旦TOP10圏外にダウンするも、こうしてLPのリリースを受けて再浮上するのは、彼らのコアなファンが重複購入するのと、あえてLP盤のリリースを待ってから購入するというケースも考えられ、ダウンロードが主流になった昨今の音楽シーンに、アート(ジャケット写真)の重要さをアプローチするキッカケになったことは、喜ばしいこと。今後、LPのリリースを大々的にプロモーションすることで、今回のトゥエンティ・ワン・パイロッツのように、TOP10内返り咲きするという、チャート・アクションを起こすアーティストも増えてくるのではないかと思われる。

 Text: 本家 一成

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