2015/08/05 22:00
主要各国でNo.1を獲得、プラチナレコードに認定された、オーミの「チアリーダー」が、4週目の首位をマークした、今週の米ビルボード・シングル・チャート。
昨年6週間のNo.1をマークしたレゲエ・バンド、マジック!の「ルード」に引き続き、今年もレゲエ・サウンドが全世界の夏を網羅する、“チアリーダー・フィーバー”。この「チアリーダー」が収録予定のデビュー・アルバムも制作中とのことで、オーミにとっては快進の1年となりそうだが、次週はおそらく、その座が入れ替わることになる。首位に立ったデジタル・チャートのセールスに加え、7月28日に公開されたばかりのミュージック・ビデオのストリーミング・ポイントが加わり、ザ・ウィークエンドの「キャント・フィール・マイ・フェイス」が、初のNo.1獲得に向けて待機しているからだ。
今週のチャート集計から、Apple Musicのストリーミング・ポイントも、シングル、アルバムチャート、そしてジャンル別のチャートに視聴回数が加算されることになり、「キャント・フィール・マイ・フェイス」のポイントも、YouTubeの再生回数に加え、Apple Musicの視聴回数を受け、先週より首位との差を縮めて上昇している。次週は、そのアップルを含め、ビデオの視聴回数がチャートに大きく反映することで、おそらく「チアリーダー」との交代は、かたいのではないかと予想される。
たとえば、4位に停滞中のテイラー・スウィフトの「バッド・ブラッド」がNo.1獲得を果たしたのは、【Billboard Music Awards】の授賞式のオープニングで、MVがサプライズ公開されたことを受け、一気にストリーミング回数が上昇し、次週のチャートでは首位にジャンプアップしたから。
それから、初のTOP3入りを果たしたサイレントの「ウォッチ・ミー」は、#WatchMeDanceOn”というハッシュタグを付けて、この曲を使ったダンス動画を、一般視聴者がアップするというブームを巻き起こし、同様にストリーミング回数の上昇により、大ヒット。マルーン5の「シュガー」(25位)も、彼らが飛び入り参加した、ウエディング・ムービーが話題をよび、結果、最高位2位まで到達したのは、最もポイントを稼いだストリーミングポイントの効果によるもの。
昨今の音楽シーンでは、「1曲いくらで購入する」、「アルバム1枚いくらで購入する」という、従前の視聴形態から、「何回再生された」という、ストリーミングでの視聴方法が主流になったことで、こういったチャートの編成は必然ではある。
現在、アップルはApple Musicの開始にあたり、ユーザーに3か月のお試し期間を設け、配信・再生を提供している。この期間が終了した後、会員数の変動がどれだけあり、視聴回数にどれだけ影響するか、ということに注目が集まるが、Apple Musicのストリーミング回数をポイントに起用したビルボード・チャートでは、無料期間内でのストリーミング回数が、チャートアクションに大きく影響するだろう。
そのストリーミング・ポイントの影響を受けて、24位から19位へ、デミ・ロヴァートの新曲「クール・フォー・ザ・サマー」がランクアップしている。この曲は、デミの2015年初のシングルで、7月1日に配信が開始されてから、デジタル・セールスを徐々に伸ばし、ランクアップしてきたが、7月23日に公開されたビデオの視聴回数が1000万回を突破し、TOP20入りを果たしている。
また、ジャネット・ジャクソンの新曲「ノー・スリープ」も同様に、翌24日に公開されたビデオのストリーミング・ポイントで、一旦圏外にダウンしていた状態から、63位に復帰している。
次週は、そのストリーミング・ポイントの上昇で、ザ・ウィークエンドの「キャント・フィール・マイ・フェイス」が初のNo.1獲得となるか、粘り強くオーミの「チアリーダー」が5週目の首位を死守するか、どちらかだ。
Text: 本家 一成
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