2015/07/06
日本の梅雨が本番を迎える中、米国では、ビーチサイドが目に浮かぶような、日差し降り注ぐナンバーが急上昇している。発祥の地、ジャマイカ出身の28歳、ポップフィールドにクロスオーバーするレゲエシンガー、オーミのデビュー曲「チアリーダー」だ。
原曲を超えて、このバージョンが“原曲”という印象すら位置付けた、ドイツの人気DJ、フェリックス・イェーンによるリミックスが大ブレイク。冒頭、ホーンとピアノの音が涼やかな風を運び、宙に浮かぶようなマイルドなオーミのヴォーカルが聴こえてくる。“さて、聴くぞ”と、構える必要もなく、インストとしてバックで流れていても、まったく不快感ないのが、この曲の魅力だろう。
ブラック・ミュージックがチャートを支配する今日、そのリリックの改善策にも注目が集まり、2000年以降、南部から発祥し始めた“お下劣モノ”は、すでに古臭さすら感じさせる。今、求められているのは直球の求愛メッセージであり、オーミのこの「チアリーダー」も、その流れに忠実に従った、ストレートな純愛歌に仕上がっている。
「俺のチアリーダーを見つけた」
「君だけ、他の誘惑には惑わされない」
文化の違いか、直訳すると我々、日本人の耳には若干…違和感があるものの、こういった目線で自分だけを見つめてくれる男性は、女性にとっての憧れであり、“自分だけのチアリーダー”として、隣でエールを送り続けてくれる女性は、男性にとっての理想像。真夏の解放感と、この曲の甘い囁きに、“ひと夏の想い出”が、世界各国で生まれるのだろう。
すでに、UKはじめ、デンマークやドイツ、フランス、スウェーデンなど、ヨーロッパ各地の主要国ではNo.1をマーク。間もなく視聴回数は2億回を突破し、夏本番にむけて、さらに世界各地で流れまくることになるだろう。全米では、初夏から11週にわたり、首位をマークし続けているウィズ・カリファ feat. チャーリー・プースの「シー・ユー・アゲイン」にかわり、首位の座に就くのは、このオーミではないかと予想されている。
昨年夏に大ブレイクを果たした、レゲエバンド、マジック!の「ルード」に引き続き、今年の夏もカリブ色が濃厚に漂いそうな音楽シーン。ビーチやオープンカーのお供にはもちろんのこと、夏の終わりをイメージさせる、サンセットでのセンティミエントを滲ませるような「チアリーダー」は、今年のサマー・アンセムの大本命。
Text: 本家 一成
◎「Cheerleader (Felix Jaehn Remix) 」MV
https://youtu.be/jGflUbPQfW8
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