2015/05/11
2011/12シーズンより「ベートーヴェンへの旅」と題し、ベートーヴェンの作品を中心に取り組んできたノルウェー出身のピアニスト、レイフ・オヴェ・アンスネスが5月15日と17日に東京オペラシティ コンサートホールにて、ベートーヴェンの【ピアノ協奏曲全曲演奏会】を行う。
約4年の歳月をかけ、世界50都市以上で開催されている本プロジェクト。アンスネスの公式ホームページでは公演情報などを記した世界地図が掲載されており、壮大な計画が一目で分かるようになっている。そして中心となっているのはマーラー・チェンバー・オーケストラとのベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏だ。合唱幻想曲とともに収録されたCDのボックス・セットがリリースされ、ピアノ協奏曲の全曲演奏会が世界各地で開催。ハンブルク、ウィーン、パリ、ニューヨークなど各地での公演を終え、間もなく来日する。
多くの批評家から高く評価された本録音だが、意外にも彼にとって初めてのベートーヴェンの録音となる。アンスネスは「子供の頃の私にとってベートーヴェンは、感心する音楽でしたが、理解出来る音楽ではありませんでした。若い頃はもちろん、ベートーヴェンのエネルギーを好んでいましたが、その豊かさを真には感じていなかったと思います。ここ10年くらいで、やっとその豊かさを真に感じられるようになったのです。ベートーヴェンはシリアスなだけではありません。ユーモアやダンス、軽やかさ、優しさ、命に満ち溢れているのです」と語った。
また、マーラー・チェンバー・オーケストラとの共演は、アンスネス自身の弾き振りによるものだ。モーツァルトやハイドンを弾き振りピアニストは少なくないが、ベートーヴェンとなると決して多くない。彼自身も、特に「第4番と第5番の弾き振りは難しい」言うも、長きにわたる共演によって信頼を高めることができ、小さなジェスチャーでほとんどのことが伝えられるようになったと述べた。
「マーラー・チェンバー・オーケストラとなら、何かユニークなものを音楽にもたらすことができると思っていました。プロジェクトの始め、彼らと初めて演奏した時は緊張しました。もし彼らが私をよく思わなかったら、私がやりたいと思うことが出来ると思えなかったら、3年間我々は困ったことになったわけですから(笑)。しかし結果は、インスピレーションに溢れた、素晴らしい経験となりました。これまで3年あまり、人生で初めて、一つのオーケストラを長きにわたって指揮し続けた音楽監督のような気持ちを、少し味わえたように思います。私とオーケストラのプレイヤーの間に、信頼感が培われたのです」
まもなくクライマックスを迎えるアンスネスによる「ベートーヴェンへの旅」。日本公演は、5月15日から開催される。
◎公演概要【レイフ・オヴェ・アンスネス (指揮&ピアノ) with マーラー・チェンバー・オーケストラ】
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2015年05月15日(金) 19時開演
ベートーヴェン:第2番 変ロ長調 Op.19、第3番 ハ短調 Op.37、第4番 ト長調 Op.58
※18:30から平野昭(音楽学者)によるプレトークと解説
2015年05月17日(日) 14時開演
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15、第5番 変ホ長調「皇帝」 Op.73
※終演後レイフ・オヴェ・アンスネスと平野昭(音楽学者)によるアフタートーク
photo(C)Oezguer Albayrak
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