2015/04/20
2014年「オール・アバウト・ザット・ベース」の大ヒットで話題を集めたアメリカの“ぽちゃカワ”歌姫ことメーガン・トレイナーが4月18日、ラフォーレミュージアム原宿にて自身初となる来日公演を行った。
まずは、きらびやかなLEDのスクリーンをバックに、ドラム、ベース、ギター2名、そしてキーボードというフル編成のバンドが登場。その演奏に合わせて、スクリーンに星やハートやキスのマーク、そして「MEGHAN TRAINOR」という文字が映し出される、キラキラな演出を出囃子にダンサー2名とバックシンガー2名を引き連れて、いよいよメーガンがステージに現れた。
1曲目は最新シングルの「ディア・フューチャー・ハズバンド」。バンドの洗練された演奏やダンサーも含めた圧倒的な幸福感、そして(既に売れに売れているとはいえ)あくまで新人の22歳の女の子であるメーガンの歌の素晴らしさに、改めてアメリカのショービズのレベルの高さを思い知る。もちろん、彼女の登場を待ちに待ったファンたち(男性や子供も多かった)も手拍子でその熱演に応える。レゲエ調の2曲目「ミスター・オールモスト」では、曲に合わせて観客も腕を左右に振るなど、序盤から大きな盛り上がりとなった。
3曲目「クレジット」の前にはメーガンがMC。「こんばんわ!気分はどう?」と挨拶しつつ、日本に来られたことに感謝を述べ「みんなも知っていたら一緒に歌ってね!」と語った。続く「ノー・グッド・フォー・ユー」では間奏でチャーミングなダンスを見せるなど、歌だけでなくダンスでも魅了したメーガン。ステージ中、客席からも終始「カワイイ!」とか「I LOVE YOU!」などの声が上がっていた。
メーガンがウクレレを片手に、アコースティック・ギターのシンプルな伴奏で披露した「タイトル」では、客席からも合唱が起き、うっとりするような親密なムードが会場に流れた。また、「クイーン」の演奏では、ラッキーなファンの17歳の女の子がメーガンと一緒にステージに上がり、ダンスや記念撮影を行った。
「クローズ・ユア・アイズ」の演奏前には、メーガンが「ビューティフルならみんな手を上げて!」と呼びかける。この曲に限らず、ステージ中、何度もメーガンが「ビューティフル!」と言葉にしていたのも印象的で、その場にいる誰もが祝福されているという感覚が、そのステージをさらに魅力的に見せていた。
終盤、メーガンの「みんなダンスをするのは好き?」というMCに続いて披露されたのは「バング・デム・スティックス」。基本的にオールドスクールなガールズ・ポップや、カリブ音楽からの影響が大きいメーガンだけに、この曲のモダン・ヒップホップ風のプロダクションがステージの良いアクセントになった。さらに、続けて、聞き覚えのあるドゥワップ調のコーラスが流れ始めたと思うと、なんと演奏されたのはマーク・ロンソン&ブルーノ・マーズの「アップタウン・ファンク」。おそらく、その場にいた多くの人間にとって“はじめて生演奏で観た「アップタウン・ファンク」”となった嬉しいサプライズにファンも歓喜。メーガンも曲に合わせて思いっきりダンスを披露し、演奏後「やっぱりダンスは最高ね」と茶目っ気を見せた。
続けて「マイ・セルフィッシュ・ハート」の演奏前には、「ある男の子と別れようとしたのにうまく行かなくて、代わりに曲を書いてメールした」というエピソードを明かしし、ファンの共感を呼ぶ。本編ラストはヒット・シングル「リップス・アー・ムーヴィング」で爽快に終了。バンドを残してステージを去ったメーガンだが、客席からは大きな「メーガン・コール」が巻き起こった。
その歓声に応える形ではじまったアンコールでは、この日最もレトロなバラード曲「ホワット・イフ・アイ」を披露。アデルやエイミー・ワインハウスの系譜に連なる、ちょっぴりレトロで、しかし、王道のシンガーであるというその立ち位置を改めて示したような一曲に。そして、最後はお待ちかねの「オール・アバウト・ザット・ベース」。紙吹雪が盛大に舞う中、ファンも一緒になって合唱し、会場は最後にして最大の盛り上がりを見せた。
弱冠21歳、新世代の歌姫として紹介されることも多いメーガンだが、そのステージは既に新人の枠を大きく超え、一種の普遍性さえ感じられた。それはアメリカのショービズ界の伝統が築いてきた地力の高さと、メーガンという個性的な才能が合わさったことで生まれたものなのだろう。その盤石のスキルとともに、何よりも“誰もが自分を愛する勇気を持てる”というメッセージを強く伝える、素晴らしいステージだった。
写真:古溪 一道
◎公演情報
【Meghan Trainor THAT BASS TOUR】
2015年4月18日(土) 東京・ラフォーレミュージアム原宿
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