2015/03/26 19:41
『UNIQLO』『爽健美茶』など数多くのCM音楽も手掛け、最近ではチャットモンチー乙女団など多方面でその才能を発揮する話題のシンガーソングライター世武裕子。3月21日 MOTION BLUE YOKOHAMAにて半年振りのワンマンライブを開催した。
【The Soft Hell Club Vol.1 横濱篇】と題された本イベントでは、世武裕子(vo,p,syn)、宮本菜津子(cho)、あらきゆうこ(dr)、服部正嗣(dr)によるスペシャル編成に加え、ゲストボーカルにチャットモンチー 橋本絵莉子を迎えて開催。横浜赤レンガ倉庫を舞台としたスリリングな夜に、大勢の観客が集まった。
<一つ一つのピースが集まり、パズルが完成していくような展開>
ムーディーな雰囲気の中会場が暗転し、世武と服部がステージへ壇上。艶めかしい世武の歌声と壮大なピアノが鳴り響く「FORGIVE」で幕が上がった。クラシック、ミニマル、エレクトロ、プログレ、民族音楽……一つの“ジャンル”では語りきれない独自の世界観を、歌・ピアノ・リズムの3点で紡いでいく。さらに、あらきが登場すると、サンプリング・パッドを使用した服部のリズムに生ドラムのグルーヴが重なり、ビート感を高めていく。そして、宮本のコーラスが乗ると少しハスキーでエモーショナルな世武の歌声と重なり絶妙なハーモニーを生み出した。
一つ一つのピースが集まり、パズルが完成していくような展開に、観客達は心踊らせていた。ノンMCでスリリングに走り抜けた前半の最後には、くるり「ばらの花」、ゆらゆら帝国「夜行性の生き物3匹」のカバーを披露し、一度ステージを後にした。
<“みらいのこどもよ 地球はまだ青いかい?”>
後半戦が始まると、世武がエレピ&シンセサイザー2台を操りながら足鍵盤も披露し観客を驚かせる。MCでは、会場で販売されていたスペシャルメニュー ソフトシェルクラブの話になり、メニューを発案した世武からは「私カニアレルギーで食べられなくて」と語られ、笑いを誘う場面も。さらに、「恋をしようよ」や、来場者にプレゼントされた「YOU」といったアップテンポな楽曲達も相まって、前半とは打って変わってハッピーな空間が作られていく。MCでの和気藹々さからも感られるように、後半は世武の“人間味”溢れるステージが広がっていた。
さらに、お待ちかねのスペシャルゲストボーカル、チャットモンチー 橋本絵莉子が蝶ネクタイ姿で登場し、「世武ちゃん」「えっちゃん」と仲睦まじく呼び合う姿に、会場も暖かい拍手で迎え入れる。アニメ『テルマエ・ロマエ』主題歌でもあるチャットモンチー「テルマエロマン」をThe Soft Hell Clubバージョンで披露。滅多に見ることの出来ない橋本のハンドマイクでの歌唱に、世武ならではの情熱的なピアノアレンジとフランス語も登場し、客席からは大歓声が。「次からチャットモンチーはフランス語でやるんでしょうかね?」の問いかけに橋本は「やらないと思います……覚えなきゃいけないから……」と小声で答え、ほのぼのとした会話に客席からは笑みがこぼれる。
「すごいいい歌詞で本当に歌えるの嬉しい。歌詞がちゃんと聞こえるように歌いたいと思います」と橋本の一言で始まったのは世武の楽曲「みらいのこども」(http://bit.ly/1C6Bpwj)。“みらいのこどもよ 地球はまだ青いかい?”というフレーズが印象的な同曲を、橋本は一つ一つの言葉を大事に紡ぎ、小さい身体からは想像できないパワフルな歌声を聴かせてくれた。
<メンバーや関わる全ての人への愛が溢れている>
そして、終盤には、5月11日 BLUE NOTE TOKYOにて【The Soft Hell Club Vol.2】を開催する事を発表。ラストの曲となった「伝説のトリプルプレイ」のスリリングかつエキサイティングなピアノで、ネクストフェーズとなるだろうBLUE NOTE TOKYOでの大成功を確信させる。ギリシャに滞在していた時に書かれた「LONG GOODBYE」をアンコールで披露し、愛に溢れた一日の幕を降ろした。
昨年夏に行われた5周年ワンマン(http://bit.ly/1C6CqUY)でも語られているが、とにかくメンバーや関わる全ての人への愛が溢れている世武だからこそ、こんなにも心温まるステージや楽曲を届けられるのだろう。MCで語られた新しい音源に期待を膨らませつつ、BLUE NOTE TOKYOでのハイクオリティなパフォーマンスも楽しみに待ちたいところだ。
取材&テキスト:内山直也
◎イベント【The Soft Hell Club Vol.1 横濱篇】
3月21日(土)MOTION BLUE YOKOHAMA セットリスト:
01.FORGIVE
02.美しいあなた
03.US
04.STAINLESS STEEL MADNESS
05.LOST HIGHWAY
06.ばらの花
07.夜行性の生き物3匹
08.君のほんの少しの愛で
09.恋をしようよ
10.75002
11.YOU
12.テルマエロマン ゲストボーカル:橋本絵莉子
13.みらいのこども ゲストボーカル:橋本絵莉子
14.ワンダーランド
15.Hello Hello
16.私の愛したスパイ
17.伝説のトリプルプレイ
En.1.LONG GOODBYE
◎イベント【The Soft Hell Club Vol.2】
5月11日(月)BLUE NOTE TOKYO
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像