2015/03/01 17:00
ZAZEN BOYSが2月25日にビルボードライブ東京でワンマンライブを開催し、セットリストの異なる2ステージでそれぞれ強烈なアクトを見せつけた。
開演前の場内BGMにはトーキング・ヘッズなどがセレクトされ、会場はいつものBillboard Liveより若い客層が目立つ。そして会場後部の一般入口から、客席の間を縫うようにして登場した4人の衣装は黒一色だ。
ステージ中央に一丸と位置するおなじみの布陣から、「くりかえされる諸行無常… / よみがえる性的衝動…」と向井秀徳(vo,g,key)の名口上のひとつがリフレインされていく。結成当初からの代表曲「自問自答」で、ZAZEN BOYSにとって初のBillboard Liveでのアクトがスタートした。
<初期の名曲続々、醍醐味満載の1stステージ>
今回は2ステージの公演となったが、それぞれのセットリストは大きく異なった。1stステージは初期~中期のナンバーが中心的にセレクトされており、中には懐かしの「TANUKI」や、フィリップ・ベイリー&フィル・コリンズ「イージー・ラヴァー」のカバーを交えた「6本の狂ったハガネの振動」なども。
世界標準のクラブ&レストランにしてエンタテインメントの上質空間としてラグジュアリーなライブを提供するBillboard Liveを舞台にしても、ZAZEN BOYSの4人から放たれる衝撃的なサウンドは当然健在だ。
「Himitsu Girl's Top Secret」や「Cold Beat」で時折、一時停止したようにピタッと全演奏が止まり、3人が一斉に向井の動きを凝視する。彼が左手に抱えたギターをタクトのように振り下ろすと同時に、寸分たがわず演奏が再開。その連続で高まっていく熱量に、観衆はただただ圧倒されるのみ。
既存曲であってもライブでは次々にアレンジが加えられていくのがZAZEN BOYSの特徴のひとつだが、近年の楽曲「泥沼」の間奏で、「ポテトサラダ」「Honnnoji」と展開して再び「泥沼」に戻るという超絶アレンジなども含め、これぞZAZENライブの醍醐味!と胸が空く瞬間が度々用意されていた。
<2ndステージは最新チューン満載、最高峰×2の超絶ライブ>
一方、2ndステージのセットリストは2012年発表の最新アルバム『すとーりーず』収録曲をはじめ、近年の楽曲が畳みかけられていく。「Honnnoji」などは普段のライブでは客席が爆発したような盛り上がりを見せるが、この日の客席はすべて着席。一見、静まり返っているように思うが、よく見ると各々首や足でリズムを刻みながら、シビレたように身体を震わせ、恍惚の笑顔を浮かべている。さらにカシオマンこと吉兼聡(g)のフリーキーなダンスから、向井の「ROPPONGI CITY!」という一言で、場内は異様な熱気に包まれた。
また、2ndステージはループフレーズが蠢いていくZAZEN BOYSならではのダンスチューンが数多く選出されていたのも印象的だ。鉄壁のリズム隊 吉田一郎(b)と松下敦(dr)は何度もアイコンタクトを送りながら、緊迫感のあるリズムから横乗りの野太いグルーヴまで、自在に繰り出す重低音で会場を揺らす。
さらに、「よ~よ~よ~い~……」という4人の不可思議なアカペラコーラスから始まった「6本の狂ったハガネの振動」、「暗黒屋」での吉兼によるソロプレイをアンプに腰かけて眺め、最後はチャルメラを弾いてクールに締める向井など。コミカルな一幕も多く、会場はその都度笑いに包まれるが、ステージ上の4人は鬼気迫る表情を変えていない。ステージ上と客席の間に緊張と緩和が生じる点も、ZAZEN BOYSらしいパフォーマンスと言えるだろう。
2部の最後は1部のオープニングを飾った「自問自答」で、ステージ後部の幕が左右に開放され、前面高透過ガラスの向こうに都心の鮮やかな夜景を展開。そしてアンコールにも応じて「Asobi」と、Billboard Liveでしかできない演出と、ZAZEN BOYSにしかできないライブ=最高峰と最高峰が融合した唯一無二の時間が完成したのだった。
なお、ZAZEN BOYSは以降も各地でのライブ出演が決定しており、向井は“向井秀徳アコースティック&エレクトリック”名義で3月26日に名古屋CLUB QUATTROでソロライブ出演する。
取材&テキスト:杉岡祐樹
写真:山口拓士
◎【ZAZEN BOYS ~MATSURI SESSION AT ビルボードライブ東京~】
2015/02/25(水) at ビルボードライブ東京
セットリスト:
[1stステージ]
01.自問自答
02.KIMOCHI
03.天狗
04.HIMITSU GIRL'S TOP SECRET
05.TANUKI
06.感覚的にNG
07.COLD BEAT
08.泥沼
09.6本の狂ったハガネの振動
10.はあとぶれいく
11.破裂音の朝
En.RIFF MAN
[2ndステージ]
01.I Don’t Wanna Be With You
02.サンドペーパーざらざら
03.ポテトサラダ
04.Honnnoji
05.Don't Beat
06.Water Front
07.6本の狂ったハガネの振動
08.暗黒屋
09.サイボーグのオバケ
10.はあとぶれいく
11.自問自答
En.Asobi
◎ZAZEN BOYS ライブ情報
【THE POWER OF LOW-END】
3月17日(火) 渋谷 TSUTAYA O-EAST
出演:ZAZEN BOYS、RIZE
【京都磔磔ライブ】
3月21日(土) 京都 磔磔
出演:ZAZEN BOYS、Lainy J Groove feat.歩歩,レイリ,チプルソ、ストロベリーパンティース
【Bar CLUB QUATTRO】
3月26日(木) 名古屋 CLUB QUATTRO
出演:向井秀徳アコースティック&エレクトリック、鴨田潤
【歌舞伎町奇譚!】
3月30日(月) 新宿 LOFT
出演:ZAZEN BOYS、八十八ヶ所巡礼
【shelter presents this is Alternative #1】
4月2日(木) 下北沢 SHELTER
出演:ZAZEN BOYS、射守矢雄と平松学
【ナゴヤ事始め 其ノ十五】
4月10日(金) 名古屋 TOKUZO
出演:内田勘太郎、向井秀徳アコースティック&エレクトリック
【SYNCHRONICITY'15 - 10th Anniversary!! -】
4月11日(土) 渋谷 TSUTAYA O-EAST、duo MUSIC EXCHANGE、TSUTAYA O-nest (3会場連結開催, 往来自由)
出演:ZAZEN BOYS、他多数
【STEREO RECORDS 10th ANNIVERSARY “夜明け前 其の三十三”】
4月28日(火) 広島 クラブクアトロ
出演:ZAZEN BOYS、ペトロールズ
【JAPAN JAM BEACH 2015】
5月3日(日) 幕張海浜公園 JAPAN JAM BEACH 特設会場(千葉市美浜区)
出演:ZAZEN BOYS、他多数
【在日ファンク 対バンツアー(仮) 】
5月6日(水祝) 福岡 BEAT STATION
5月16日(土) 恵比寿 LIQUIDROOM
出演:在日ファンク、ZAZEN BOYS
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