2015/02/13
19世紀末のフランスに実際にあった、もうひとつのヘレン・ケラー物語『奇跡のひと マリーとマルグリット』の邦題が決定し、予告が解禁された。
本作は、三重苦で生まれた女性マリー・ウルタンと、彼女を教育したシスター、マルグリット、実在したふたりの女性による真実を描いたフランス映画。本作のヒロインであるマリーは、ヘレン・ケラーとは異なり、生まれつきの三重苦であり、彼女に教育したのは献身的な修道女、マルグリットただ1人。不治の病を抱えながら、人として生きる喜びと尊厳、そして死の意味もマリーに教えたマルグリットは、母のように惜しみなく愛を注ぎ、知識を分かち、人としての営みそのものを示していく。
主人公マリーを演じたのは、自身も聴覚にハンディ・キャップを抱えるアリアーナ・リヴォアールだ。監督のジャン=ピエール・アメリスによって見出され、本作で映画デビューした期待の新星で、前半部分では野性児のようなマリー、言葉を知った後半部分ではいきいきと表情豊かなマリーを、それぞれ見事に演じた。また、物語の舞台となっているのは、フランス・ポアティエ地方にあるラルネイ聖母学院で、1世紀半を経た今も、耳が不自由な人たちのための施設として現存している。劇中で見られる修道女たちの素朴だが清潔な服、自給自足のつましい食生活など、まったく無駄のないシンプルなその暮しぶりは、マルグリットの教えと同様、人として生きることの真の豊かさとは何か? を現代に生きる私たちに語りかけてくれる。
◎公開情報『奇跡のひと マリーとマルグリット』
2015年5月、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
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