2014/12/09 23:00
2014年度の米国ビルボード年間チャートが発表。アルバムチャートBillboard 200は全世界で「アナ雪」フィーバーを巻き起こした、映画『アナと雪の女王』のサウンドトラック盤が、2014年の年間アルバム首位に輝いた。
日本でも流行語大賞にノミネートするなど、大旋風を巻き起こした「アナ雪」。本家アメリカでは、昨年の年末から映画と共に徐々に順位を伸ばし、1月18日付アルバムチャートから5月まで、累計13週の首位をマークした。累計枚数は350万枚を突破し、ワールドセールスでは1000万枚に届く勢いをみせている。アニメ映画によるNo.1獲得は、『ライオン・キング』(1994年)、『ポカホンタス』(1995年)、『おさるのジョージ』(2006年)に次ぐ4作目で、約8年ぶりの獲得となる快挙。ゴールデングローブ賞にもノミネートされ、映画興行収入も12億ドルを突破した。
累計200万枚を突破し、2位にランクインしたのが女王ビヨンセ。プロモーションを一切行わず、iTunesストアから急遽ドロップするという、異例のリリース形態で話題を呼び、発売から3時間で8万、1日で30万ダウンロード、初週トータルで617,000枚の初動枚数を獲得し、iTunesの最高セールス記録を更新。また、ビヨンセ自身にとっても、これまでリリースしたアルバムの中で、最も高い初動枚数の記録となった本作『ビヨンセ』。3週間のNo,1をマークし、2008年の年間2位をマークした『アイ・アム… サーシャ・フィアース』以来、6年ぶりのランクインとなった。
新女王として君臨する、テイラー・スウィフトの『1989』は3位にランクインしたが、本作、集計期間内たった3週間で年間3位にランクインするという、すさまじい記録を打ち立てた。11月15日付アルバムチャートで、初動枚数130万枚と驚異的な数字を打ちたてデビュー。次週22日付では40万枚、29日付で30万枚と、たった3週の間に200万枚を売上げ、2位のビヨンセと僅差まで迫った。集計期間外ではあるが、12月に入ってからも20万枚を突破するなど絶好調で、集計期間が割れなければ、年間首位は間違いなかったといえる。先行シングル「シェイク・イット・オフ」も、秋のリリースにかかわらず、年間13位と大健闘した。
世界96か国のiTunesチャートで、当日No,1を獲得したワン・ダイレクションの『ミッドナイト・メモリーズ』は、初動枚数55万枚を突破し、瞬く間にミリオンを突破。見事年間4位にランクインした。その記録を上回る、80枚を獲得してNo.1デビューを果たした、エミネムの8thアルバム『ザ・マーシャル・マザーズLP2』も続く5位にランクイン。本作もテイラーと同様に、2013年度チャートとの集計割れが生じたため、実売ではワン・ダイレクションよりも上回るが、とはいえ5位に入賞したのは見事。
近年では、売上げの落ち込みが囁かれているが、初動枚数の記録更新は、今年のアルバムチャートで大きく話題を呼んだ。2位のビヨンセから5位のエミネムまで、全アーティストが自身のもつ初動枚数記録を塗り替えたが、カントリーシンガー、ルーク・ブライアンの4thアルバム『クラッシュ・マイ・パーティー』もまた、初動枚数53万枚と大きく数字を伸ばし、自身最高枚数を獲得。年間チャートでは7位にランクインした。また、カントリー界からは、2012年のリリースにもかかわらずロングヒットを記録し、10位にランクインを果たしたフロリダ・ジョージア・ラインの『ヒアズ・トゥー・ザ・グッド・タイムス』も、初動枚数ではないが、最長ランクインという記録を更新した。
シングルでは、年間18位に「リーム」、20位に「ロイヤルズ」をランクインさせたロードのデビュー作『ピュア・ヒロイン』は6位に、年間2位に「ダーク・ホース」がランクインした、ケイティ・ペリーの『プリズム』は8位ランクインするなど、シングネ ヒッ㍊によるプロモーションを行ったアーティストも、上位に。それとは対照的に、カントリー界の巨匠、ガース・ブルックスの6作のCD、2作のDVDがボックスセットとなる『ブレイム・イット・オール・オン・マイ・ルーツ』が9位に、首位デビューを果たした、バーブラ・ストライサンドの『パートナーズ』が20位にランクインするなど、シングルからのアプローチは一切ない、往年のスター等も名を連ねている。
2015年度からは、アルバムの集計方法にストリーミング・サービスのデータが加わり、さらに単曲のデジタルセールスも、アルバムの集計に加わることになる。来年の年間チャートは、これらのポイントが大きく影響してくるのではないか、と思われる。
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