2014/11/10
自主レーベルのリリースにもかかわらずイギリスのブラック・ミュージック雑誌『Echoes』やソウル専門店でその内容が大絶賛され、あっという間に完売してしまったことでソウル・ファンのあいだで話題となった天才ネオソウル・シンガー・ソングライター、ジャロッド・ローソンのデビュー作『Jarrod Lawson』が11月5日にリリースされ、日本でもじわりじわりと注目度を増している。
アメリカ西海岸、ポートランドを拠点に活動し、ダニー・ハサウェイとスティーヴィー・ワンダーに大きな影響を受けた38歳の新生は、ソウル・ミュージックをベースにジャズ、ラテン、R&Bを織り交ぜたトラックに、天性のリズム感がもたらすグルーヴと、時に甘く時に力強いボーカル、そして緻密に重ねられたコーラスを縦横無尽に披露。試聴機で1曲目から3曲目をさらりと聴いただけでも「タダものではない」と感じさせる衝撃的な完成度の高さは、ホセ・ジェイムズがジャイルスに見染められてシーンに登場してきたのに似ている。
10年もの月日をかけて完成させたという本作は、全曲の作詞作曲だけでなく、ほとんどの演奏も自らこなしたセルフ・プロデュースとなっており、新人でありながら、その楽曲と彼の才能を証明するがごとく、マスタリングはプリンスやマイケル・ジャクソン、スティーリー・ダンから、ドクター・ドレーまで手がけた名匠バーニー・グランドマンが担当している。さらに今年6月のCapital Jazz Festでは、ジョン・レジェンドとエリカ・バドゥのオープニング・アクトを務め、英米で熱い視線を集めている。
もちろん、ジャイルス・ピーターソンや沖野修也も自身の番組でプレイするなど、周囲のサポートも揃いつつある。百聞は一聴に如かず。R&B、ソウル・シーンに久々に登場した、今年のベスト・ソウル・ジャズ・アルバムと称される本作とジャロッド・ローソンはチェックしておきたい。
◎リリース情報
ジャロッド・ローソン『ジャロッド・ローソン』
PCD-93844
定価:¥ 2,484(税込)
発売日:2014/11/05
発売元:ピーヴァインレコード
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