2014/09/17 12:00
デジタル時代の新型ミュージックフェスティバル【THE BIG PARADE】が、9月13日から3日間 代官山エリアにて開催された。
【THE BIG PARADE】とは、トークセッション、ショーケースライブ、クラブイベントなど7会場に渡って開催された複合型フェスティバル。初日の基調講演には佐野元春氏が登壇し、「時代は移り変わるものだし、どんなものにも胸を開いていたいと思っている。大切なのは、ユーザーにベネフィットをもたらすサービスかどうかということ。そういうサービスは、自然と残っていく。」と語った。また、携帯で好きな音楽を聴かせあっている子供たちを見ると、思わず「自分のレコーディングスタジオに招待して、本当の音を聴いて欲しい」と思うという佐野氏。昨年のツアーで話題となった18歳以下全額キャッシュバックを、来年以降も継続していく意向を示した。その他、PARTY中村洋基氏とSIX本山敬一氏による“バイラル・ビデオ”と“価値変換”、“ライブ・エクスペリエンス”をテーマにしたプレゼン対決や、ネットサービスを展開する9社が10分足らずの持ち時間で自社のサービスをプレゼンし合う「Infinity Ventures Summit」など、様々なセッションが行われた。
2日目は、ユニバーサルミュージックグループ・グローバルデジタルビジネスの技術統括サイモン・ワット氏や、小室哲哉氏らが登壇。小室氏は、デビューから30年にわたる音楽とデジタルの関係を振り返りながら、楽曲が“拡散”し“集束”した時にヒットが生まれるという流れは昔も今も変わらないと説いた。また、ヒルサイドプラザの最後のセッションには、tofubeats氏とWIRED編集長の若林恵氏が登場。終始リラックスした雰囲気で、アーティストとしてレコード会社に期待することや、自身の好きなアーティスト像などをテーマに、忌憚ないトークが繰り広げられた。
最終日には、スポティファイジャパンの野本晶氏、ジェイ・コウガミ氏とともに、米ビルボードのチャート・ディレクターを務めるシルビオ・ピエトロルオンゴ氏が登場。最新の音楽マーケットの動向を反映し、CDの売上げデータだけでなく、ダウンロードや、ストリーミングサービスの再生回数など、様々な指標を合算した総合音楽チャートを提供しているビルボード。ピエトロルオンゴ氏は、今やユーザーの動向を見るのに欠かせない指標の一つである、SNSを取り込んだ「Social50(ソーシャル上で行われる会話を分析したアーティスト・ランキング)」、「トレンディング140(米国内で発信されたツイート内の楽曲のリアルタイム・ランキング)」などを紹介した。また、野本氏もスポティファイが提供するチャートや、世界の取り組みについて説明した。これからの日本のチャートについて、ピエトロルオンゴ氏は「ビジネスをドライブしていくのに必要となるのがチャート。チャートは、正しくアーティストの人気をフォローしているものでなくてはいけない。まだまだ課題はあるが、新しい技術が生まれ可用性が高まることで、より身近なものになると思っている。」と述べた。また、野本氏も「ユーザーの興味が反映されるのがチャート。その一言に尽きる。また、昔から音楽を口コミで知ったという人は多いし、広がり方は変わっていない。今はソーシャルで広がるようになったことで、数値化されることでマーケティングデータとして使えるようになった。」と述べた。その他、同会場では きゃりーぱみゅぱみゅを世界に送り出したワーナーミュージック・ジャパンの鈴木竜馬氏と、アソビシステム中川悠介氏の出会いからヒットまでの道筋や、各地で感じた世界のファンたちの反応がリアルに語られ、ローリング・ストーンズやU2などの作品を手掛けた音楽プロデューサー、スティーブ・リリーホワイト氏は、各アーティストの事例をもとに、時を越えて愛され続ける“Timeless”な作品を作ることの重要性を説いた。
◎イベント概要【THE BIG PARADE】
期間:9月12日(金)オープニングセッション
9月13日(土)~15日(月祝)
会場:代官山エリア全7会場(T-SITE Garden Gallery/Hillside Plaza/Digital Garage/Theatre CYBIRD/Liquid Room/代官山UNIT/代官山LOOP)
内容:トークセッション25プログラム、ショーケースライブ31組、クラブイベントのべ24組
公式サイト:http://thebigparade.jp/
Photo (C)THE BIG PARADE 2014
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