2014/08/28
デンマークの今年度上半期において、音楽に関する総収益の82%がデジタル音楽だったことが明らかになった。ストリーミング配信の収益増加により1年前の74%から上昇する形となった。IFPI(国際レコード・ビデオ製作者連盟)が8月26日に発表した。
デンマークの音楽収益において、ストリーミング配信は昨年の45%から63%に増加している反面、デジタル・ダウンロードのシェアは29%から19%に減少。CDやレコード盤などのフィジカルでの収益も昨年の26%から18%に減少している。
デンマークでマーケット・シェアが変遷しているのは明らかだが、同発表ではデンマークの音楽マーケットの全体的な動きについて疑問符を残す。IFPIは、音楽収益の総収入も、収入の変化も明らかにしていないからだ。
しかし、2月の発表では、デジタルの増収が長年低迷していたデンマーク市場の回復に一役買ったことを示していた。昨年、デンマークの音楽収益は4億800万クローネ(約75億円)から、4億2,900万クローネ(約79億円)と4.7%増加。デジタルにおいては、2億2,100万クローネ(約31億円)から26%近く急上昇して2億7,800万クローネ(約38億円)となり、過去5年間で126%増加している。
また、ストリーミング・サービスが盛んな他の北欧諸国でも、上半期において同じような動きがみられる。Spotify(スポティファイ)の本拠地であるスウェーデンでは、ストリーミングの収益が12%増加し、音楽総収益の81%を占め、ノルウェーではおよそ16%増の77%となった。
しかしながら、ストリーミング配信の増加が必ずしも総収益の改善をもたらすものではない。スウェーデンでは上半期にCDセールスが44%減少し、ダウンロード・セールスがわずか2%増加した結果、総収益は2.5%減少している。
デンマークの市場はストリーミング・テクノロジーの受け入れに積極的な良い例と考えられるが、北欧諸国の外ではこれがあてはまらない。デンマークの消費者は、多数の西欧諸国と違いiTunesなどのデジタル・ダウンロードを利用していないのが実情だ。一方、例えばイギリスでは、サブスクリプション・サービスが国内に長く存在するにもかかわらず、ダウンロード収益を未だ大きく下回っている。
デンマークは従来の音楽購入がほとんどない状態ながら、生き残るだけでなく成長する実例として挙げることができるだろう。米国内のダウンロード・セールスが減少し始めている現在、特に重要な実例なのだ。そう、購入の時代に続いて生きる道がここにあるのだ。
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