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2014/07/29

著作権侵害のストリーミング・サービスを重罪とする新法が米国で検討中

7月24日ある司法省当局者が、下院司法聴聞会にて違法ストリーミングに対する重刑を支持した。刑事局・臨時代理司法次官補のデビッド・ビットコウアーは、ストリーミングの発達に言及しつつ、今日のメディア消費を踏まえるともっと厳しい刑罰が妥当であるとし、「実際には軽犯罪だが、著作権を侵害するサイトがストリーミングで膨大な収益を得ているのをみれば、権利侵害を防止するためにも軽犯罪の刑罰では不十分だ」と述べた。

 現状、著作権法における著作物の違法ダウンロード行為は重罪だが、違法ストリーミングは軽犯罪として扱われている。厳密には、著作権法においてダウンロード(複製と配布)とストリーミング(公的パフォーマンス)に関する権利の扱いが違うのだ。

 公的パフォーマンスと他の権利との格差は、以前にも議論になっている。最近では、著作権局および司法長官のエリック・ホルダーも論争に加わって、2011年にアメリカ政府は違法ストリーミングは重罪とするよう勧告。昨年には、商務省のインターネット政策特別専門委員会が政策提案書にて、違法ストリーミングを重罪として罰するよう求めている。

 ビットコウアーが提案したのは、先日ライセンシングと著作権の問題で聴聞を行なったのと同様、音楽ビジネスにおける知的所有権とインターネットの小委員会が開催する“著作権対策”と題した聴聞会でのことだった。

 違法ストリーミングは音楽よりも映像面が問題になりがちで、ビットコウアーは違法ビデオが使用する通信帯域幅は2010年から2012年の間に470%にまで増加したという調査結果を提示。一方、成長中の合法なストリーミング・サービスとしてYouTube、Netflix、Huluの他、Pandora、Spotifyの名前を挙げた。

 また、ビットコウアーは新しい法案の罰則範囲を、営利目的の著作権侵害行為に適用するとしている。