2014/07/01
沢尻エリカ久々の地上波連ドラ主演や、池井戸潤原作が2作並んだりと話題性たっぷりだった4月期クールドラマもほとんどがフィナーレを迎えた。各局ドラマの低地勝率が悩まれているが、起用された主題歌たちはどのようなチャートアクションをみせていたのか楽曲総合チャート“Billboard JAPAN Hot100”の最高位で切り取ってみたい。
<月曜日>
TBS『ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~』
主題歌:エレファントカシマシ「Destiny」(最高23位)
フジテレビ『極悪がんぼ』
主題歌:氣志團「喧嘩上等」(最高6位)
まずは、TBSで放送された北村一輝主演の『ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~』。エレファント・カシマシの14年ぶりのドラマ主題歌となった「Destiny」は前シングルの記録を超える最高23位をマーク。ヴォーカル宮本が病から復活し、イベントからメディアまで多数出演し、デジタルやツイッターでのポイントが増加。そして、フジテレビ『極悪がんぼ』で初の“月9主題歌!”と沸き立った氣志團の「喧嘩上等」は最高6位に。バンドとしての人気は確立されているものの、自らも語る通り「One Night Carnival」以降ヒット曲がなかった彼ら。ミュージックビデオに主演の尾野真千子を登場させたりとその相乗効果を最大限に活用。パッケージはもちろん、デジタルでのポイントの積み上げが大きい。」
<火曜日>
フジテレビ『ビター・ブラッド~最悪で最強の親子刑事~』
主題歌:Mayday「Do You Ever Shine?」(最高42位)
フジテレビ『ブラック・プレジデント』
主題歌:コブクロ「陽だまりの道」(最高5位)
TBS『なるようになるさ。』
主題歌:指田郁也「hello」(最高73位)
NHK『サイレント・プア』
主題歌:Perfume「Hold Your Hand」(最高41位)
火曜日では佐藤健と渡部篤郎の親子役がハマったフジテレビ『ビター・ブラッド~最悪で最強の親子刑事~』。こちらは台湾の5人組ロックバンド、Maydayが主題歌「Do You Ever Shine?」で花を添えた。しかし、チャート結果は最高42位。昨年リリースのアルバム『Mayday×五月天 the Best of 1999-2013』は11位を好セールスを記録したものの、パッケージセールスが伸びなかった。同じくフジテレビで主演の沢村一樹のブラック社長っぷりが好評だった『ブラック・プレジデント』は主題歌をコブクロが担当。「陽だまりの道」は最高5位にチャートイン。総合5指標を見る限り、これまでのヒット曲と変わらず、エアプレイとセールスを着実に積み重ねており、タイアップに関わらないアーティストの安定的な人気が要因と思われる。続いてTBS『なるようになるさ。』は前シーズンに続いて指田郁也が主題歌に。5作目のシングルとなった「hello」は物語の雰囲気に合った楽曲だったが、最高73位に留まった。コミュニティ・ソーシャルワーカーとして奮闘する深田恭子の美しさが評判だったNHK『サイレント・プア』。主題歌はPerfumeの「Hold Your Hand」で7月16日にリリースされるシングル「Cling Cling」に収録される楽曲だ。ドラマタイアップもあり、先行配信され、デジタルポイントのみで最高41位に着けた。
<水曜日>
テレビ朝日『TEAM~警視庁特別犯罪捜査本部~』
主題歌:加藤ミリヤ×清水翔太「ESCAPE」(記録無)
日本テレビ『花咲舞が黙ってない』
主題歌:西野カナ「We Don't Stop」(最高2位)
フジテレビ『Smoking Gun~Smoking Gun~』
主題歌:N'夙川BOYS「ジーザスフレンド」(最高34位)
テレビ東京『俺のダンディズム』
主題歌:MANNISH BOYS「I am Dandy」(最高32位)
続いて水曜日。主演の小澤征悦の役柄としての立ち位置も話題となったテレビ朝日『TEAM~警視庁特別犯罪捜査本部~』。“ミリショー”こと加藤ミリヤ×清水翔太のコラボ曲「ESCAPE」が主題歌となるが、コラボアルバムの収録曲でシングルリリースもなかった為、チャートイン記録は無。女版“半沢直樹”として今期の平均視聴率トップを記録した池井戸潤原作の日本テレビ『花咲舞が黙ってない』は西野カナの「We Don't Stop」を起用。こちらはドラマの視聴者層をきっちり獲得し最高2位を記録。西野カナ自身としてもこれまでの最高位を塗り替える結果となった。SMAPの香取慎吾が主演したフジテレビ『Smoking Gun~Smoking Gun~』はN'夙川BOYSを抜擢。「ジーザスフレンド」は34位を記録し、バンドとしても全国的に知名度を広げることが出来た。明日7月2日放送分で最終回を迎える滝藤賢一ドラマ初主演作テレビ東京『俺のダンディズム』。ドラマサイドからのオファーを受けて斉藤和義×中村達也によるユニット、MANNISH BOYSが書き下ろした「I am Dandy」は32位を記録。
<木曜日>
テレビ朝日『刑事110キロ』
主題歌:ウルフルズ「ヒーロー」(最高40位)
テレビ朝日『BORDER』
主題歌:MAN WITH A MISSION「evils fall」(最高96位)
TBS『MOZU』
主題歌:無し
フジテレビ『続・最後から二番目の恋』
主題歌:浜崎あゆみ「Hello new me」(最高29位)
日本テレビ『トクボウ 警察庁特殊防犯課』
主題歌:AAA「HANDs」(記録無)
先日、4年半ぶりの電撃復帰が大きく話題となったウルフルズはテレビ朝日『刑事110キロ』に「ヒーロー」を提供。5月21日にリリースされたニューアルバム収録曲の為、シングルリリースは無し。エアプレイとデジタルポイントで強さを見せて最高40位に。今期クールで多数制作された刑事モノの中でも異彩を放った小栗旬主演の『BORDER』は放送を重ねる毎に視聴率を伸ばした。主題歌はオオカミバンド、MAN WITH A MISSIONが担当。「evils fall」もアルバム『Tales of Purefly』収録曲でシングルリリースが無く96位に。アルバムはドラマ人気も手伝ってか最高3位を記録後、14週もチャートイン。『BORDER』と同時間帯で視聴率を競い合ったTBS『MOZU』だが、こちらは主題歌自体が設定されず。そして、小泉今日子と中井貴一が演じる“大人の青春”が人気のフジテレビ『続・最後から二番目の恋』は前シーズンに続き、浜崎あゆみが主題歌を担当。「Hello new me」もアルバム収録曲の為、シングルリリースは無く、最高29位に。番組内やCMではヤエル・ナイムの「ゴー・トゥーザ・リバー」が多く使用されており、そちらの印象が強いファンも多いのでは。深夜枠ながら視聴率で好結果を残した伊原剛志主演の『トクボウ 警察庁特殊防犯課』はAAAの「HANDs」が主題歌となるもリリースが無くチャートイン記録は無し。
<金曜日>
テレビ東京『マルホの女~保険犯罪調査員~』
主題歌:島谷ひとみ「やぶれかぶれ」(最高76位)
TBS『アリスの棘』
主題歌:高橋優「太陽と花」
テレビ朝日『死神くん』(最高1位)
主題歌:嵐「誰も知らない」
テレビ東京『リバースエッジ 大川端探偵社』
主題歌:EGO-WRAPPIN'「Neon Sign Stomp」(最高34位)
テレビ東京『セーラーゾンビ』
主題歌:ミルクプラネット「セーラーゾンビ」(記録無)
テレビ東京『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』
主題歌:遠藤正明、奥井雅美、きただにひろし「牙狼<GARO>-魔戒ノ花-」(記録無)
ドラマ本数の多い金曜日。今期で平均視聴率がワースト1位となってしまったテレビ東京『マルホの女~保険犯罪調査員~』。主題歌となった島谷ひとみ「やぶれかぶれ」も76位と残念な結果に。主演の上野樹里による復讐劇と最終回での衝撃の展開に驚いたTBS『アリスの棘』。高橋優による主題歌「太陽と花」もドラマのオイシイ展開部に流され視聴者の脳裏に刻まれたようだ。チャートでも最高5位と大健闘。大野智主演のテレビ朝日『死神くん』はもちろん、嵐が主題歌を担当し、「誰も知らない」は、最高1位を獲得。オダギリジョー主演のテレビ東京『リバースエッジ 大川端探偵社』は役者と監督の人気もあり、視聴率を気にしない独自の展開で人気を誇る。ワールドカップの影響で最終回は7月12日までおあずけ。主題歌も“オサレな探偵モノ”ではおなじみのEGO-WRAPPIN'が担当。番組のオープニングにも出演している「Neon Sign Stomp」は最高34位に。AKBから新世代メンバーが登場し、ゾンビと女子高生の戦いが描かれるテレビ東京『セーラーゾンビ』。渡辺麻友、横山由依、岩田華怜の3人からなる新ユニット、ミルクプラネットが主題歌を担当するも、リリースはなく、チャートイン記録無。また、テレビ東京の特撮ドラマとして根強い人気を持つ『牙狼<GARO>-魔戒ノ花-』。こちらは遠藤正明や声優として番組にも出演する影山ヒロノブも所属するJAM Projectが主題歌を担当。リリースは先の為、チャートイン無し。
<土曜日>
日本テレビ『弱くても勝てます』
主題歌:嵐「GUTS !」(最高1位)
NHK『ロング・グッドバイ』
主題歌:無(音楽は大友良英)
フジテレビ『ファースト・クラス』
主題歌:KAT-TUN「In Fact」(最高1位)
日本テレビ『SHARK~2nd Season~』
主題歌:ジャニーズWEST「その先へ…」
土曜日では、二宮和也主演の日本テレビ『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』が視聴率は伸びなかったものの、嵐による主題歌「GUTS !」はもちろん1位を獲得。更に上半期チャートで首位を独走するほどのヒットを記録している。全5話と少ないが、初の連続ドラマ主演となった浅野忠信『ロング・グッドバイ』は主題歌無し。しかし、『あまちゃん』で空前のヒットを飛ばした大友良英が音楽を担当。そして、沢尻エリカによる久々の連ドラ主演と女たちのドロドロバトルが好評を獲得したフジテレビ『ファースト・クラス』。番組にも主要キャストとして出演した中丸雄一の所属するKAT-TUN「In Fact」が主題歌に。もちろん1位獲得。先日、CDデビューを果たしたジャニーズWESTが出演する『SHARK~2nd Season~』は彼らが主題歌を担当。こちらは前述のデビュー作カップリング曲の為、チャートイン記録無し。
<日曜日>
TBS『ルーズヴェルト・ゲーム』
主題歌:無し
NHK BS『珈琲屋の人々』
主題歌:笹川美和「続く」
<その他>
フジテレビ『母・聖美物語』
主題歌:ハルカハミングバード「炎の花」
NHK『花子とアン』
主題歌:絢香「にじいろ」
最後は日曜日とその他連続ドラマから紹介。池井戸潤原作によるTBS『ルーズヴェルト・ゲーム』は高視聴率を記録するも主題歌は無し。NHK BSで放送された高橋克典主演の『珈琲屋の人々』は笹川美和の「続く」を主題歌に。こちらはパッケージのリリースもなく、チャートイン記録は無し。フジテレビの昼ドラ『母・聖美物語』はハルカハミングバード「炎の花」が主題歌となり、71位に。NHK朝ドラ『花子とアン』は絢香「にじいろ」が起用。こちらはエアプレイとデジタルが強く、リリース週までに7回のチャートインを記録。最高9位となった。
チャートの結果だけで切り取ると嵐をはじめ、ジャニーズ勢の活躍がダントツと言える。しかし、ドラマの視聴率や相乗効果を合わせると別の結果が見えてきた。今期クールのドラマ主題歌の中で、特筆すべき結果を出したのは氣志團「喧嘩上等」だろう。ミュージックビデオやジャケット写真でのコラボレーションだけでなく、綾小路翔も番組に出演するなど可能な限りの相乗効果を狙い、楽曲のヒットに繋げることが出来た。また、ドラマと楽曲の雰囲気が絶妙にマッチし、セールスに結びついていった西野カナ「We Don't Stop」も今後のファン層を広げていく布石になったと思われる。
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