2014/06/18 11:02
キャリアと共に艶やかさを増し、思わずうっとり眺めてしまう、その成熟した美貌――。史上初のアフリカン・アメリカン出身の「ミス・アメリカ」であり、そのエレガントな佇まいは常に眩いオーラを放っている。
しかし、“美貌”というオーラだけで30年近くも生き抜いてこられるほど、アメリカのショウ・ビジネスの世界は甘くない。ポップ/R&B/ミュージカルシンガーとしてはもちろん、スクリーンを彩る女優としても表現の幅を広げ、それらを見事にこなしてきたヴァネッサ・ウィリアムス。彼女が東京と大阪の『ビルボードライブ』のステージに、再び“降臨”するときが遂にやってきたのだ。
83年、20歳で初のアフリカン・アメリカンによるミス・アメリカ(第59代)に選ばれるという歴史的快挙を成し遂げた後、シンガーとして88年にデビュー。91年にリリースしたセカンド・アルバム、『コンフォート・ゾーン』からカットされた「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラヴ」は全米シングルとR&B部門で共に1位に輝き、さらにはカナダ、オーストラリア、オランダでも首位に駆け上がり、全世界的なヒット曲に――。歌い手としても一躍トップの座に上り詰めたヴァネッサ。その歌声は容姿と同様、美しく優雅であると同時に、選ばれた女性しか醸し出すことのできないノーブルな魅力にも満ち溢れている。
華やかな存在感をステージで遺憾なく発揮し、ときにダンサブルに、また別の瞬間には麗しい表情やポーズと共に、現代女性の成功や挫折など、自身の起伏に富んだ人生に照らし合わせたかのようなメッセージを、6人のバンドが奏でるメロウなグルーヴに身を任せながら、張りのある歌声でオーディエンスに届けてくる。それらの大半は、“今”を瑞々しく生きる女性への応援歌であり、力強いエールでもある。また、シャカ・カーン、バーブラ・ストライザンド、リナ・ホーン、アイズリー・ブラザーズといったカヴァー曲の幅広さも、ソウルやジャズはもちろん、ミュージカルまでこなすマルチな才能の彼女ならでは。
そんなエレガントでノーブルな存在であるヴァネッサが聴かせるエモーショナルでソウルフルな歌い回しには、洗練だけではなく野生的な薫りも漂い、彼女の表現力のすべてが凝縮されていると言っても過言ではない。
さあ、今宵は瞬きもできないほど、美しいショウ・タイムがステージの上で展開されるに違いない。世界一気品あるソウル・シンガー――そう、言い切っても異論は聞こえてこないだろう。ヴァネッサと時間や空間を共有できることの至福を、今夜も全身で存分に体感したい。
もう、迷いはないよね? スタート・ザ・ショウ・タイム!
Text: 安斎明定
Photo: Masanori Naruse
◎ビルボードライブ公演情報
【ヴァネッサ・ウィリアムス】
2014年6月17日(火)-19日(木)
ビルボードライブ東京
2014年6月23日(月)-24日(火)
ビルボードライブ大阪
More Info:http://www.billboard-live.com/
◎ヴァネッサ・ウィリアムス ステージ&ディナー2014
2014年6月21日(土)
横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ
More Info:http://www.yokohamabay-sheraton.co.jp/
◎ヴァネッサ・ウィリアムス 来日記念特集
http://www.billboard-japan.com/special/detail/923
◎ライターProfile
安斎明定(あんざい・あきさだ)
編集者/ライター
東京生まれ、東京育ちの音楽フリーク。初夏の今ごろはシチリアの白ワイン「グリロ」に夢中。
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