2014/05/21
BiSのサウンドプロデューサー 松隈ケンタ&悪徳マネージャー兼仕掛人 渡辺淳之介が手掛ける妄想シンガー 蜜矢。デビューアルバム『いけないmagic』を引っ提げ、北上チャリンコツアーを敢行しているが、その心境や状況を綴った本人レポート第3弾が到着した。
<急遽BiSさんの全国ツアーのオープニングアクトに
お客さんたちの話し声が聞こえてきて正直ショックでした>
27時間路上ライブが終わって翌日16日。急遽BiSさんの全国ツアーのオープニングアクトに出させていただきました。しかも会場はなんばHatch。19時の開場に合わせてオープニングアクトを開始しぞろぞろと入ってくるお客さんたち。だけど歌ってる時にお客さんたちの話し声が聞こえてきて正直ショックでした。
そりゃBiSさんやLUI◇FRONTiC◆松隈JAPANさんを目当てで見に来ているから、自分に興味はないだろう、見向きはされないかもしれないと予想していましたが、実際に目の前に晒されるとショックでした。でもよくよく考えると路上ライブも誰も期待してない中で演奏するわけだから、いつもの路上ライブのように振り向いてくれるようにすればいいと考え直すとリラックスできました。
誰も期待してないなら衝撃を与えてやろう、食らいついてやろうと思いただただ無我夢中で最後の曲「宮澤」を歌いました。たくさん拍手をいただいてステージから下がると汗をダラダラかいて息切れをしていました。その時の全力を出し切れて
いたと思います。
<BiSさん、LUI◇FRONTiC◆松隈JAPANさんのライブを見て
自分が遠く及ばないことに身をもって知らされました>
自分のライブが終わってから客席でライブを見ていました。LUI◇FRONTiC◆松隈JAPANさんもBiSさんも本当に本当に本当に凄かったの一言でした。全力を出し切って少しは2組に喰らいつけたかなと思っていましたが、2組のパフォーマンスを見てまだまだ自分が遠く及ばないことに身をもって知らされました。もちろん2組に比べたらキャリアもなく、まだペーペーの新人ですが凄いと思ったのと同時に悔しくてたまらなくて、しかも悔しいはずなのにライブを楽しんでいる自分にまた悔しくて。このまま1日が終わってしまうのがいても立ってもいられなかったので、BiSさんのライブ終了後に会場の外で路上ライブをしました。
2組のライブを見て学んだことは、ライブに本当に全力を注いでいることでした。自分もライブは全力を注いでいるつもりでした。だけど今日のように息切れするほど、汗がダラダラと流れるほど力を出し切れていたかというと、それが普段からできていなくて、言い方は悪いですが「だだ路上ライブをこなしていた」だけだというのに気づきました。
自分は昔から何事もある程度のレベルまでなら上手にこなすことができる、ということが長所だと思っていました。だけどこの長所が最大の短所だと気づきました。音楽に対して、本当に自分がやりたいことに対して「上手くこなす」ようでは一生誰かに振り向いてもらえないと気づかされたライブでした。
<誰も見てくれない時もあるけど歌うしかない>
BiSさんのライブの後からちゃんと不恰好でも自分の全力のライブを行うようにしました。すると機材を使わなくても足を止めていただく機会が増えていきました。今も毎日喉がガラガラになるし路上ライブ後は今まで以上に体が重く疲れますが非常に充実感があります。
奈良県から三重県に行くために山路を登っていると毎回心が折れます。31日に東京に帰った時に本当に自分を待ってくれる方がいるのがとか、自転車なんて非効率な移動をしていて意味なんであるのかとか思い続けてしまいました。1人の旅だから愚痴も言える人もいないし、移動しているだけでも変な目で見られるし。一番しんどいのは同じような年頃の人が笑いながら歩く姿。なんで自分こんなことをしてるのかわからなくなってしまいます。なんで遊んでないのかな、なんで変な目で見られながらも歌ってるのかな、って思うけどハケ口がありません。
でもやっぱり心がすさんでも何があってもギターを握ったら歌うしかないんだなって思います。1人寂しいけど、誰も見てくれない時もあるけど歌うしかない。今はそれしかできないし、それをするしか自分の存在価値を示せるものがない。今は「歌うしかない」って気持ちが原動力なんだと思います。
5月下旬になり旅も終盤に入ってきました。今は明らかに前半や中盤と違う気持ちです。がむしゃらにもがくしかない。歌うしかないんです。どうか5月31日まで見守っていただけると嬉しいです。
◎ライブ【蜜矢『いけないmagic』発売記念 レコ発ワンマン「蜜矢の蜜と唾」】
05月31日(土)中野HEAVYSICK ZERO
OPEN 16:00 / START 17:00
チケット:前売2500円 当日3000円
学生割引:当日学生証提示で500円バック
<蜜矢とは?>
蜜矢は“人間の本音”を歌う妄想シンガーで、4月30日発売のミニアルバム『いけないmagic』にてつばさレコーズよりデビュー。同作のリード曲「Super life」のミュージックビデオ(http://bit.ly/1iyZdjc)は、山の手線の電車内~渋谷スクランブル交差点のど真ん中で「Super life」を歌う蜜矢の姿が、楽曲のピュアネスと相まって涙を誘う問題作だ。それに続く2曲目「宮澤」(http://bit.ly/1ooSMnR)は、大嫌いな宮澤を辛辣な言葉でこきおろしており、メロディーと「早く消えろよ」という歌詞が癖になる楽曲となっている。
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