2014/05/11 17:00
5月3日~5月5日までのゴールデンウィークの3日間、新木場・スタジオコーストにて【JAPAN JAM 2014】が開催され、国内外の新人から大物までが集結し集まったファンを熱狂させた。
これまで国内アーティストの異種格闘技的なジャムセッションを見せてくれていた本イベントだが、今年は【SUMMER SONIC】を手掛けるクリエイティブマンが制作に加わり、洋楽アーティストが出演することに。アーティスト間のジャムセッションは行われなかったが、【ROCK IN JAPAN FESTIVAL】を手掛けるロッキング・オンと制作サイドのジャムセッションとなった。
エレファントカシマシにスウェードと日英の大物からクリープハイプや[Alexandros]と日本の最前線を支えるバンドに、スウェーデンからの新星ザ・ロイヤル・コンセプトとその出演ラインナップは“ロック”というジャンルこそあるが、一見バラバラに見える。大規模なフェスに出演しているアーティストばかりだが、もし、今回の出演陣が揃うフェスがあった場合に、このラインナップを自分のタイムテーブルとして楽しむ人はさほど多くないはず。不安な部分もあったが、制作サイドの化学反応は素晴らしい輝きを生み出した。
初日はTHE STARBEMSをトップバッターにThe Mirraz、[Alexandros]とフロアの熱気を熱気を持ち上げ、ZAZEN BOYSも超絶テクと変態グルーヴの音の壁で聴衆を圧倒。ザ・ロイヤル・コンセプトも新人バンドとは思えない盛り上がりを見せ、エレファントカシマシが初日のトリを務め、新曲から宮本(vo.)の語る“割と有名な曲”まで真剣な男のロックでオーディエンスをばっちり熱狂に導いた。
2日目は期間中、最も海外勢のアーティスト(しかもUK ONLY)が並び、客層も【Hostess Club Weekender】で見かけるようなインディーロックファンが多いように見えた。チャイルドフッドとテレグラムはまだアルバムデビューすらしていないが、2組は活きの良いロックでフロアを揺らす。andropもスケールアップしたパフォーマンスはスタジオコーストには収まりきれないほどだ。BOOM BOOM SATELLITESも凶暴なグルーヴでオーディエンスを突き動かし、熱気は最高潮に。そして、最近来日しすぎとも思える(笑)スウェードが名曲連発の凄まじいパフォーマンスで中日を締めくくった。
最終日はSOIL&“PIMP”SESSIONSによる怒涛のデス・ジャズで幕開けし、UK勢からピースが飛び跳ねさせる。GRAPEVINEは「クソ懐かしい」と語る曲から最新曲まで彼らの歴史を体感できるセットを披露。今回唯一のUSバンドとして登場したヴィンテージ・トラブルはソウルフルなロックンロールでフロアを踊らせ、会場をひとつにまとめ上げる。クリープハイプはスリリングな“日本のロック”を叩きつけ、3日間の大トリとなったACIDMANが3ピースのシンプルで美しいロックンロールでフィナーレとなった。
明らかにエレカシファンな妙齢(?)の女性たちがロイヤル・コンセプトで飛び跳ね、スウェードとandropのファンが共に大合唱し、ヴィンテージ・トラブルで両手を上げて踊っていたファンがクリープハイプの音楽にじっくり聴き入っていた。
イベント内の各所で化学反応が起こり、凄まじい盛り上がりを見せた。“音楽に国境はない”なんて誰が言った言葉か格言かは知らないが、その本質を目の前で体感した。“音楽が売れない”と同じく嘆かれている“洋楽ファンの減少”はCD売上で切り取る市場を見れば確かなことかもしれないが、このイベントはそんな心配事を一時の杞憂に終わるのだと思わせてくれた。アーティスト同士のジャムセッションも楽しい、しかし、音楽ファンによるフロアのジャムセッションが起きたことが制作サイドの成功であり、今後の日本の音楽市場が進むべき未来を示しているはずだ。
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