2011/06/27
90年代、WARNER BROTHERSは“THE ARTIST FORMERLY KNOWN AS PRINCE”の意に添うレコード会社ではなかったが、現代のこのデジタル時代においては、インターネットこそが彼を新作発表から遠ざける足かせとなっているのかもしれない。
イギリスの新聞『THE GUARDIAN』のインタビュー記事の中で、アイコン的スターPRINCEはインターネットへの嫌悪感とネットが音楽界に与える悪影響について以下のようなコメントをしている。
「個人的に、僕はデジタル・ミュージックには我慢がならない。ビット単位になった音楽を聴けば脳の別の部分に影響が出るし、プレイバックした際には何も感じることができない。僕らはアナログ人間で、デジタルには合わないんだ」。
しかもデジタル化が作品へ与えるダメージに加え、PRINCEには“ウェブサイトで配信された場合、規制が損われる”という最大の懸念があり、それが新作発表を躊躇する大きな原因となっているようだ。PRINCEは、著作権のあるコンテンツをアーティストの許可なしに配信しているYouTubeなどのサイトに対しては以前から不快感を露にしており、今や「それらのサイトに規制をかけない限り、新たな作品はレコーディングしない」と公言するに至っている。
「業界は変わってしまった。海賊行為が頻繁に行われる前には、ネットでも金を稼ぐことはできた。でも今では電話会社、APPLE、GOOGLE以外、オンラインで金を稼ぐことは誰もできなくなってしまったよ。著作権の保護については、自らホワイトハウスを訪れて訴えようとも思っているくらいだ。今の状況は、まるでゴールドラッシュやカー・ジャックみたいなもので、まったく規制することができない。ミーティングなどに参加すると、周囲からは「君は理解していない。世の中は“食うか、食われるか”、私利私欲の世界なんだ」と言われる。だからこんな状況の下でのレコーディングは、当面見合わせることにしたんだ」。
そんなわけで、PRINCEは当分のあいだライヴ・ショーだけで金を稼ぐことになりそうだ。
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