2011/05/30
「THE REVOLUTION WILL NOT BE TELEVISED」のような歌でミニマリスティックなパーカッションと政治的な発言、語り言葉の詩を融合させラップの基礎を作るのを手伝ったミュージシャンのGIL SCOTT-HERONが、5/27に62歳で亡くなった。
友人のDORIS C.NOLANによると、彼はヨーロッパ旅行から戻って具合が悪くなりセント・ルークス病院で亡くなったという。
「私たちは全員打ちのめされている感じです」
SCOTT-HERONのラップへの影響はしばしば「ラップのゴッドファーザー」と呼ばれるほどだったが、本人はそういう呼び名を嫌がっていた。
「オレが関係した先導的なものが何かひとつあるとしたら、オレの詩にはちゃんとコード進行や繰り返されるフックのついた音楽があって、パーカッション付きの詩の暗唱というより歌のように聞こえたからだろう」と彼は1990年の詩集『NOW AND THEN』のイントロダクションに書いている。
彼はパーカッションと政治と朗読詩の独特のミックスをブルーソロジーやサード・ワールド・ミュージックと関連づけていた。しかし、それはたんに「ブラック・ミュージック、あるいはブラック・アメリカン・ミュージック」と言い切っていた。
「ブラック・アメリカンは今や、オレたちがやって来た様々な場所や、オレたちが一緒に運んできた音楽やリズムの、ものすごく多様性のあるエッセンスだから」と彼は書いていた。
にもかかわらず、様々な世代のラッパーに彼が与えた影響は、KANYE WESTなどのアーティストが彼の作品をサンプリングしていることからも伺える。
SCOTT-HERONはマスメディアを批判した有名な「THE REVOLUTION WILL NOT BE TELEVISED」を含むアルバム『125TH AND LENOX』を1970年代にハーレムでレコーディングした。その後多くのアルバムをBRIAN JACKSONらとの共作を交えながら発表した。最新アルバムは2007年にレコーディングをスタートして2010年にリリースされた『I’M NEW HERE』だった。
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