2014/03/05
今年で開局25周年を迎えるFM802が仕掛けるライブイベント「FM802開局25周年特別興業 如月歌絵巻」第二夜となる2月26日は「EGO-WRAPPIN’ 審美抄矜持饗宴」
この日はいきなり客席下手に、艶やかなグレーの着物姿の中納良恵(vo.)が登場。「方舟」の悩ましげな歌声に、ため息に近い歓声が上がる。一方、森雅樹(Gt)の頭には笠。和装で伏し目がちにギターをつま弾く姿が非常に様になっていた。「天国と白いピエロ」では天井から紙ふぶきも。見事な松が描かれた金屏風のような背景に舞い散る紙ふぶき。オープニングから立て続けに魅せる粋な演出に心を掴まれた。
この日はおなじみのバンドメンバーTHE GOSSIP OF JAXXに、清水一登(Vibraphone)を加えた頼もしいラインナップ。サックスやフルート、ヴィブラフォン、ピアノなど生楽器の心地い良いバンドアンサンブルに乗せて「Crazy Fruits」「女根の月」などグル―ヴィな曲が続く。スタンドマイクにぶら下がる赤いランプの灯が一層ムードを高めていた。
雰囲気たっぷりな演奏中とは打って変わってMCでは、会場がある大阪・上本町に昔住んでいた森氏が「あそこの肉屋のコロッケが美味しいねん」「久しぶりに玉造温泉に行ったら力士がいっぱい入ってきてびっくりした」など思い出話に花を咲かせた。衣装チェンジを終えて戻ってきたよっちゃん(水兵風のキュートなつなぎ姿!)もバンド結成当初の大阪での生活を振り返る。会場の雰囲気が和んだところで新曲も披露。二人だけのアコースティックで聞かせてくれた「サニーサイドメロディ」という曲は爽やかで優しくて、改めてこの二人がこうして出会って、今ここで音楽を奏でてくれていることを感謝したくなるような一曲だった。
本編ラストは「サイコアナルシス」「GO ACTION」で観客も飛ぶわ踊るわの大熱狂。アンコールでは「BRAND NEW DAY」「くちばしにチェリー」など更にアッパーな曲でライブハウスのような盛り上がりに。アンプを使わず正真正銘の生演奏で「moment to moment」を演奏しながら、パレードのようにメンバーが客席を抜けて退場していくという、最後までニクい演出で三時間弱に及ぶ大舞台を締めくくった。
しっとりとバラードをキメたかと思えば、妖艶なメロディでゾクゾクさせたり、汗をかくほど盛り上げたり、ほっこり温めたり……新歌舞伎座というこの会場に良く似合うドラマチックな演奏で様々な表情を見せながら、どんな曲でも観客を楽しませることを忘れないEGO-WRAPPIN’のエンターテイナーぶりに胸を打たれて、ライブが終わってからもしばらく席を立てなかった。
この二日間のライブの模様は3月6日のFM802「FLiP LiPS」(11:00 - 15:00)内で放送される。見逃した方は是非そちらもお聴き逃しなく。
TEXT:FM802 DJ 鬼頭由芽
◎イベント概要
FM802開局二十五周年特別興行 如月歌絵巻
『審美抄矜持饗宴(しんびのしょうきょうじきょうえん)』
日時:平成26年2月26日(水)午後7時開演
出演:EGO-WRAPPIN'
会場:新歌舞伎座
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