2014/01/30 19:00
美空ひばり、江利チエミと“元祖三人娘”と呼ばれ、75歳を迎えた今も圧倒的な輝きを放ち続ける雪村いづみの60周年を祝し、佐野元春プロデュースの2作品が2月12日にリリースされる。
<佐野元春&雪村いづみ『トーキョー・シック』>
2人は、2012年5月に佐野元春&雪村いづみ名義の新曲「トーキョー・シック」を配信シングル(iTunes限定)としてリリース。同月に行われたビルボードライブ東京での共演とあわせて大きな話題となったが、そのコラボレーションの集大成となる2つの作品の全貌が明らかになった。
まず佐野元春&雪村いづみ『トーキョー・シック』は、CD+DVD+豪華ブックレットで構成されたパッケージ商品。「トーキョー・シック」の他、同レコーディングセッションで録音された新曲「もう憎しみはない」、ビッグバンド形式で演奏された佐野のセルフカバー「こんな素敵な日には」「バイバイ・ハンディラブ」が収録される。編曲と指揮は、日本のビッグバンド・ジャズ界のベテラン前田憲男が担当。日本のジャズシーンを牽引してきた歴史的なミュージシャン総勢17名が一堂に会した。
なお、楽曲「トーキョー・シック」について佐野は、「両親が若かった頃や、雪村いづみさんが登場した時代に想いを馳せて書いた。戦後の復興期にあたって、人々を元気づけたのはこんな曲だったのではないか。」と語っている。
<『スーパー・シック~雪村いづみオールタイム・ベストアルバム』>
一方、佐野元春が企画監修し、同時リリースされる『スーパー・シック~雪村いづみオールタイム・ベストアルバム』(2CD+DVD+別冊解説書)は、10代から現在まで雪村いづみの魅力を余すことなくパッケージ。雪村にとって初めてレーベルの枠を超えて選曲された2枚組CDには全50曲が収録され、Disc 1を《MONO Years》、Disc 2を《STEREO Years》と題して、時代を明確に区切っている。
キャラメル・ママと共演した名盤『スーパー・ジェネレイション』から服部良一の名曲が3曲、さらに荒井由実が当初雪村のために書き下ろした「ひこうき雲」の処女レコーディングも収録(当時発売されなかったため、荒井由実が自ら歌って同名デビューアルバムに収録)。佐野元春と共演した新曲2曲も収録されている。
付属のスペシャルDVDには、10代~現在までの、雪村いづみが出演した映画とテレビにおける歌唱シーン26曲(約45分)が収められ、まさに<オールタイム・ベストアルバム>の映像版という趣向だ。全84ページのスペシャルBOOKは、佐野元春のラジオ番組で実現した雪村とのトークセッションを紙上で再現している。
<戦後モダニズムの精神を最も純粋なかたちで生き抜いた女性>
ともに東京生まれで東京育ち。佐野は雪村のことを「戦後モダニズムの精神を最も純粋なかたちで生き抜いた女性」と評している。
「かつて僕の両親が恋人同士だった頃、ふたりはよく新橋のダンスホールで踊っていた。僕が生まれる以前の話だ。そのダンスホールには、まだ10代だった頃の雪村いづみが専属歌手として唄っていた。僕の両親は彼女の歌声に合わせて踊り、ロマンスを育んでいたのだ。両親が生きていたら、今回の雪村さんとのセッションを見て何と思うだろう。」(佐野元春/アルバム『トーキョー・シック』ライナーノーツより)
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