2011/04/12 00:00
50年近くもの間、アメリカにつきまとってきた戦争について歌ってきた伝説的パフォーマーのBOB DYLANが、ついに平和になったベトナムを訪れるチャンスを得た。
反戦歌で有名なシンガー・ソングライターはベトナム戦争が終わってから約36年後の日曜日に元サイゴンで特別コンサートを行なった。
69歳のDYLANは黒いジャケットに紫のシャツ、白い帽子といういでたちで、暖かい夕方のステージに立ち、「A HARD RAIN’S A-GONNA FALL」や「HIGHWAY 61 REVISITED」などの名曲を歌った。
RMITY大学の8000席の半分しか売れておらず、ベトナム人と外人が入り交じる観客はDYLANの演奏に合わせて草の上で踊っていた。ベトナムの8600万人のうち60%が戦後に生まれており、多くの若者たちにはJUSTIN BIEBERのような今どきのポップ・スターの方が馴染み深いのだ。
それでもDYLANの音楽は1960年代の動乱期には南北の何千人もの人々の心に触れた。
「BOB DYLANの音楽はベトナムの戦争に反対し、不正や人種差別と戦うための武器として音楽が使われるという新しい道を開きました」とベトナム作曲家協会会長のTRAN LONG AN(67歳)は言う。「それは彼が音楽にもたらした大きな貢献です」
ANは戦争中サイゴン(現ホーチミン)の学生で、他の共産党のシンパと共に通りに飛び出して殺戮の中止を訴えたという。彼は今もDYLANの大ファンで、莫大なレコード・コレクションを持っている。
ベトナムのジャングルで戦った人たちにも、DYLANの音楽は希望を与えた。
「私たちは平和を語るものならなんでも聞きました。私たちは彼を平和詩人と呼んでいたんです」とSTAN KARBER(60歳)は言う。アーカンソー州フォート・スミス出身の彼は1969年から1971年までベトナムに従軍し、過去15年ホーチミン市に済んでいる。「今すぐにでも踊れそうですよ」
1975年4/30に北側の共産軍が南ベトナムを陥落させて国家を統一。この戦争でおよそ58,000人のアメリカ人と300万人のベトナム人が殺された。
日曜のコンサートは、「ベトナムのBOB DYLAN」と呼ばれる反戦ベトナム人フォーク・シンガー、TRINH CONG SONの死後10周年記念に続くものだった。前座のベトナム人アーティストは今なお人気のSONにトリビュートを捧げていた。
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