2013/10/28
本年度のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した『アデル、ブルーは熱い色』が、第26回東京国際映画祭にて特別招待作品として上映され、監督のアブデラティフ・ケシシュが舞台挨拶を行った。
審査委員長を務めたスティーブン・スピルバーグが、カンヌ国際映画祭にて史上初となる、ケシシュ監督と主演のアデル・エグザルコプロスとレア・セドゥの3人にパルムドールを贈った今作は、アデル・エグザルコプロス演じる高校生のアデルとレア・セドゥ演じる美大生エマとの運命的な出会いと彼女たちのリアルな生き様を綴った官能的で悲痛な愛の物語。現在本国フランス、そして各国の映画祭で上映され、その映像美とともに過激でセンセーショナルな性描写、さらには監督と主演女優の対立などで賛否両論を浴びている。
「日本のみなさん、こんにちは。ケシシュです。」と監督の流暢な日本語での挨拶で始まった舞台挨拶では、まず本作を制作するきっかけとなったエピソードを披露。偶然立ち寄った書店で原作となるバンド・デシネ『アデルの人生』(原題『La Vie d'Adele Chapitre 1&2』)に出会い、そのグラフィックに目を奪われ、即座に購入した監督。読み進めていくと、映画の中でも特に印象的なシーンとなっているアデルとエマが交差点で初めて出会い、視線を交わす場面に惹かれ、是非映像化したいと思ったそうだ。
2人の主演女優を起用した理由については、「知的で、少しブルジョアなレアは、私が思い描いていたエマのイメージにピッタリだった。」「アデルは、生きる貪欲さがとても官能的。スクリーンに現れるとその光で画面を占領し、カメラを引き付る。」と彼女たちの魅力について話した。
さらに今回初来日となった監督は、集まった観客に対して「皆さんに是非とも伝えたかったことがある。」と幼い頃から日本の映画に触れながら育ったことを語り、黒澤明、溝口健二、成瀬巳喜男などの巨匠の名をあげ、小津安二郎の作品については「日本文化、伝統、歴史に対する、私の愛を育ててくれた。」と語り、観客から会場からは拍手の嵐が巻き起こった。
『アデル、ブルーは熱い色』は、2014年春に日本で劇場公開され、映画のUS版トレイラ―にはビーチ・ハウスの「Take Care」が起用されている。
◎『アデル、ブルーは熱い色』トレイラー
http://trailers.apple.com/trailers/independent/blueisthewarmestcolor/
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