2025/11/28 18:00
米ミシガン州デトロイトの象徴であるエミネムとジャック・ホワイトが、【NFL サンクスギビング・デー・ゲーム】の壮大なハーフタイム・ショーで初共演を果たした。
現地時間2025年11月27日、フォード・フィールドで開催されたデトロイト・ライオンズ恒例の【サンクスギビング・デー・クラシック】に出演したジャック・ホワイトが、スポーツ・アンセムとして知られるザ・ホワイト・ストライプスの「Seven Nation Army」を披露したのは驚きではなかった。
本当のサプライズは、ホワイトと同じくデトロイトを代表する存在であるエミネムのゲスト出演だった。エミネムはマネージャーのポール・ローゼンバーグとともに本公演のエグゼクティブ・プロデュースも務めた。
フーディーにカスタム仕様のライオンズ・ジャケットをまとったエミネムは、ホワイトとバンドの7分間のセットの途中で登場し、ソールドアウトの観客を熱狂させた。エミネムの「Till I Collapse」とザ・ホワイト・ストライプスの「Hello Operator」をマッシュアップしたこのパートは、ホワイトの「That’s How I’m Feeling」と「Seven Nation Army」に挟まれる形で披露された。
両者が同じステージに立つのはこれが初めてだった。11月8日のザ・ホワイト・ストライプスの【ロックの殿堂】入りの直後であり、同時にホワイトの故郷デトロイトにあるサード・マン・レコーズのオープンから10周年という節目でもあった。エミネムは2022年に【ロックの殿堂】入りしている。
ホワイトはこの日のためにブルーのギターを使用し、リズム隊はライオンズの装いで揃えた。パフォーマンスが轟音のフィードバックに包まれて締めくくられる中、ホワイトは、「デトロイト、愛してるよ!」と叫んだ。ステージ前には、公演に参加するために集まった400人以上のライオンズのシーズン・チケット保有者が盛り上がりを見せていた。
エミネムとホワイトは、試合やハーフタイム・ショー関連の限定グッズも手がけており、さらに試合中の音楽でも強く存在感を放っていた。ライオンズの選手入場前にはフォード・フィールドのPAから「Seven Nation Army」が流れ、1クォーター目のタイムアウト中にはホワイトの「Taking Me Back」が使用された。「Till I Collapse」はキックオフ前の煽り曲としてフィーチャーされた。
このショーは、デトロイト・ライオンズと、カリフォルニア州バーバンクを拠点にするジェシー・コリンズ・エンターテインメント(過去に【スーパーボウル】のハーフタイム・ショーを制作)、そしてエミネムとポール・ローゼンバーグによる新たな3年契約の第1弾でもあった。エミネムとローゼンバーグは、2024年6月に開催され、ホワイトも出演したミシガン・セントラルのオープニングを祝うコンサートでもジェシー・コリンズ・エンターテインメントと協力している。
ジェシー・コリンズ・エンターテインメントの上級副社長セス・ドゥドウスキーは米ビルボードに対し、NFLシーズン序盤からエミネムとローゼンバーグのプロダクション参加について話し合いが始まっていたとコメントし、彼らが加わったことでホワイトが今回のハーフタイム構想の中心となったと述べている。
「この街の特性や価値を反映し、ライオンズにも、エミネムとポールがそこで築いてきたものにも忠実なショーをどう作るかという話をしました」とドゥドウスキーは語り、「そうした要素や価値を考えると、ジャック・ホワイトはロックンロールを体現し、ステージに立つアーティストとして完璧でした。デトロイトを象徴するだけでなく、スタジアムやスポーツイベントに行ったことのある人なら誰もが“Seven Nation Army”を耳にしたことがあるはずです」と述べた。
ライオンズは今回の試合を通じてFeeding Americaとの新たな取り組みも開始した。
この日のホームタウン色をさらに濃いものにしたのが、【グラミー賞】受賞のゴスペル歌手でデトロイト出身のシーシー・ワイナンズだ。彼女はテネシー州ナッシュビルから朝一番の便で飛び、国歌独唱を務めた。
ワイナンズはフォード・フィールドで米ビルボードに対し、「光栄です。私は7人の兄弟と父と一緒に育ったので、毎年ライオンズ戦を見ていました。10人きょうだいで、とても全員分のチケットは買えなかったのでテレビで観ていたんです。ここで国歌を歌えるのは本当に楽しくて、名誉で、素晴らしいことです」と語った。
ライオンズと、NFC北地区のライバルであるグリーンベイ・パッカーズとの試合は、この日行われた3試合の【NFL サンクスギビング・デー・ゲーム】の第1試合だった。
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