2024/07/02 10:30
ポスト・マローンの「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat.モーガン・ウォレン」が返り咲き、通算6週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
2024年5月10日にリリースされた「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」は、1位に初登場した2024年5月25日付から6月22日付まで5週連続で首位を獲得した後、先週(6月29日付)サブリナ・カーペンターの「プリーズ・プリーズ・プリーズ」に一旦明け渡し、今週(7月6日付)再び1位に浮上して通算6週目の首位を獲得した。
2024年のチャートでは、1月から2月に5週間を記録したジャック・ハーロウの「ラヴィン・オン・ミー」を上回る現時点での首位最長記録で、2023年3月から8月に通算16週間を記録したモーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」以来の記録に達した。なお、「ラヴィン・オン・ミー」は2023年12月2日付で1位に初登場した後、2024年1月から2月に5週間(非連続)1位を獲得していて、通算記録では6週間1位を獲得している。
「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」は、今週の集計期間(2024年6月21日~6月27日)にエアプレイが7,650万回(5%増加)、ストリーミングが3,910万回(3%減少)、セールスは12,000(8%減少)をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは4位、デジタル・ソング・セールス・チャートでは3位にそれぞれランクインした。
エアプレイ・チャートでは先週の2位から1位に上昇して、ポスト・マローンは2019年から2020年にかけて11週間を記録した「サークルズ」に続く2曲目、モーガン・ウォレンは初のNo,1タイトルを獲得した。同時に、カントリー・エアプレイ・チャートでは2週目の首位を獲得して、エアプレイ(総合)とカントリー・エアプレイの両チャートを制している。
同じ曲がエアプレイ・チャート(総合)とカントリー・エアプレイ・チャートで1位を獲得するのは珍しいケースで、1990年に集計が始まって以降「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」が以下に続く6曲目のタイトルとなる。
ポスト・マローン「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat.モーガン・ウォレン」(2024年 / エアプレイ・チャート8週目で1位)
ルーク・コムズ「ファスト・カー」(2023年 / エアプレイ・チャート16週目で1位)
ギャビー・バレット「アイ・ホープ feat.チャーリー・プース」(2020年 / エアプレイ・チャート35週目で1位)
フロリダ・ジョージア・ライン&ビービー・レクサ「メント・トゥ・ビー」(2018年 / エアプレイ・チャート14週目で1位)
レディ・A(レディ・アンテベラム)「ニード・ユー・ナウ」(2010年 / エアプレイ・チャート26週目で1位)
テイラー・スウィフト「ユー・ビロング・ウィズ・ミー」(2009年 / エアプレイ・チャート21週目で1位)
上記のとおり、「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」は登場わずか8週目でエアプレイ・チャート(総合)で1位に到達し、エアプレイ(総合)とカントリー・エアプレイの両チャートで首位を獲得した6曲中での最速記録を更新した。なお、この6曲はポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャート、アダルトコンテンポラリー・チャートでもそれぞれTOP10入りしている。
「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」は、今週のカントリー・ソング・チャートも7週目の首位を獲得して、Hot 100とカントリー・ソングの両チャートを制した。また、2024年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでも5週目の首位を獲得している。
今週2位には、シャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」が先週の3位からワンランクアップして自己最高位を更新。デジタル・ソング・セールス・チャートでは22,000(7%増加)を売り上げて7週目の首位を獲得した。
デジタル・ソング・セールス・チャートでの首位獲得週としては、2020年代のソロ・アーティストによる最長記録で、グループを含めると過去10年間ではBTSの「Dynamite」(2020年)と「Butter」(2021年)がそれぞれ18週間を記録している。
シャブージーは、6月30日にロサンゼルスのピーコック・シアターで開催された【BETアワード2024】で同曲をラッパーのJ-クウォンとパフォーマンスし、話題を呼んだ。「ア・バー・ソング(ティプシー)」には、2004年に最高2位を記録したJ-クウォンによる同名曲「ティプシー」がサンプリングされていて、原曲は間接的に20年ぶりのTOP10入りを果たし同率の最高位を更新したことになる。
今週3位は、ケンドリック・ラマーの「ノット・ライク・アス」が先週の6位から上昇して再びTOP3入りした。同曲は、6月19日にカリフォルニアのキア・フォーラムで開催された【The Pop Out: Ken & Friends concert】で5回も披露され、その反響によりストリーミングが30%増加の4,540万回に上昇。ストリーミング・ソング・チャートでは4週目の首位を獲得した。
また、セールスは前週から101%増加の8,000を記録して、今週最も伸びた曲に贈られるSales Gainerを獲得。ラップ・ソング・チャートでは 7週目、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは5週目の首位をそれぞれ獲得した。
4位はサブリナ・カーペンター「エスプレッソ」が先週に続き同位をキープして、ポップ・エアプレイ・チャートでは3位から2位に最高位を更新。先週1位に上昇した「プリーズ・プリーズ・プリーズ」は今週5位にダウンしたが、前週から203%増加の970万回に数字を伸ばしてポップ・エアプレイ・チャートでは24位にランクインし、今週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得した。
ポップ・エアプレイ・チャートでは4月に自身初のNo,1タイトルを獲得した「フェザー」が今週12位にランクインしていて、前2曲を含む3曲をチャートインさせた初のアーティストとなった。また、Hot 100でTOP5に2曲をランクインさせたのも、2024年のチャートではサブリナが初のアーティストとなる。
トミー・リッチマンの「ミリオン・ダラー・ベイビー」は先週の5位から6位に順位を下げたが、R&Bソング・チャートでは9週目の首位を獲得。7位はホージアの「トゥー・スゥイート」が同位をキープして、ロック&オルタナティヴ・ソング・チャートで12週目、ロック・ソング・チャートとオルタナティヴ・ソング・チャートではそれぞれ13週目に首位獲得週を更新した。
先週8位に再びTOP10入りしたベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」は今週も同位にランクインして、テディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」も9位、ビリー・アイリッシュの「バーズ・オブ・ア・フェザー」も10位をそれぞれキープした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月5日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン
2位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
3位「ノット・ライク・アス」ケンドリック・ラマー
4位「エスプレッソ」サブリナ・カーペンター
5位「プリーズ・プリーズ・プリーズ」サブリナ・カーペンター
6位「ミリオン・ダラー・ベイビー」トミー・リッチマン
7位「トゥー・スゥイート」ホージア
8位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
9位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
10位「バーズ・オブ・ア・フェザー」ビリー・アイリッシュ
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