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2024/06/29

<わたしたちと音楽 Vol.41>児玉雨子が語る、働きやすい環境をつくるために“ひとつの場所にとどまらない”こと

 【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い展開されている、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』。Vol.41となる今回は、ハロー!プロジェクトの楽曲からアニメ・ゲーム関連まで数多くの作品を手がけ、小説家としても活躍する児玉雨子が登場した。

 絵を描くのが好きで漫画家になりたかったという児玉は、漫画のためのプロットが小説のようになったことがきっかけとなり、高校2年生のときに集英社の【すばる文学賞】に応募。2011年に情報番組『コピンクス!』の主題歌「カリーナノッテ」の作詞を担当したのが作詞家としてのキャリアのスタートとなった。

 誰もが日常的に耳にすることが多い“歌詞”を通して、伝えられることについては、「初めて歌詞が耳に届いたそのときに心が揺れてくれたらいいなという気持ちはもちろんあるけれど、今聴いてくれている小学生の子が、高校生や大学生になって、ふと“あの曲、実は良い曲だったな”って思い出してくれればいいとも思います」と話した。

 さらには、「今現在の救済にはなっていなくても、いつか誰かの好きな歌になればいい。もちろん、自分が発信したものが今すぐ世の中に広くリーチしてほしいって気持ちもあるんですけど、5年後くらいに急に火がつくこともあるのも知っている。おかげさまでそれを知ることができるくらい仕事を続けられてきたから、もう少し世の中を信用しようという気持ちになりました」と説明した。

 また、女性がエンタテイメント業界で活躍しやすくするために、いろいろやってみることを意識しているそうで、アイドルのみならず、アニソン、VTuberの仕事にも積極的に取り組み、“ひとつの場所にとどまらない”という姿を見せることが、働きやすい環境につながるのではと自身の見解を述べた。スケジュール管理にも気をつけているそうで、「急すぎるものは受けない。若くてやる気がある人を使い潰しているのは、社会全体の問題ですよね」と話した。

 インタビュー全文は特集ページにて公開中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることができる。

 2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2023年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。

Photo:Megumi Omori

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